日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

今度は「オザワ新党支持率20%の解釈」

 昨夜、テレビを見ていたら、政治評論家だか編集者の1人が、オザワ新党についてコメントを寄せていました。
 いわく、「オザワ新党に期待するかと訊かれ、『期待する』と答えたのは20%程度で、80%は『期待しない』と答えた。国民の多くはオザワ新党には期待していない」といった主旨です。
 (正確には発言上は『期待する』が20%とは明言しなかったかもしれません。ただし電話調査なら無回答に意味がないので、事実上、この値になります。)
 いやはや、びっくりしますね。
 メディア関係者の多くは統計学には無知ですが、「専門家筋」ってのがこの程度とは。
 
 質問は、A(期待する)とB(期待しない)二者択一の形式のようですが、回答者の選択肢は、A(オザワ新党に期待する)、B(民主に期待する)、C(自民党に期待する)、D(公明党に期待する)以下省略、で実際の質問は、「A~XNの中でAに期待するか」というものです。
 要するに、B以下の選択肢をすべてひっくるめ、A という選択肢に改めた質問です。
 仮にこの質問で、「半分以上が期待している」という結果を導くには、支持率50%以上の政党でなくてはならない。そんな水準を達成できる政党は、いまや日本には存在しません。
 すなわち、質問項目それ自体が、「オザワ新党に日本国民は期待していない」という方向に世論を誘導するものです。
 
 現時点の国会の現有勢力でみれば、オザワ新党は1割に届くかどうかの水準です。
 もしそれで20%の集票が可能なら、勢力2倍の大躍進となります。
 メディアは政権のゆくえに左右されるので、自分の近しい権力にすり寄ります。
 「体制に迎合しない報道」など、しょせんポーズだけですよ。
 
 かたや維新の某市長が、突如として、民主礼賛に走ったのは、オザワ新党と距離を置くため。
 「オレには近寄ってくれるなよ」というメッセージです。
 選挙が近そうだし、自分に色がついては困る。第一オザワはダーティなイメージだし。
 しかし、それも政治屋の駈け引きで、まだ国政では何も始めていないのに、早くも政局中心になってます。
 それよりも、まず自身のお粗末な政策を整えることが大切でしょ。
 
 どいつもこいつも、小手先の話でなく、正面から論破すれば良いのに、とつくづく感じます。
 アバウトな社会正義を武器にするのは、扇動政治家の常とう手段で、かつて小泉元総理が利用し(「改革!」)、現在のオザワ氏も前面に押し出しています。
 「マニフェストを守れ」、「国民の生活が第一」って、誰も否定できない「抽象的な社会正義」ですね。
 こういう人種を叩き潰すには、きちんとした政策で勝負すれば良いです。
 国民生活をどう守るのか、具体的な議論を行うべきでしょう。
 オザワ政治学は倒さなくてはならない対象ですが、メディアの用いる卑怯な常とう手段である、「あらさがし」や「世論誘導」をやめない限り、国民の政治不信は改善されないように見えます。