日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第178夜 降臨

先ほど、仮眠中に見た短い夢です。
 
「4月17日に神さまが現れるらしいよ。知ってた?」
パッと目が開くと、目の前に友人(女性)がいました。
ここは郊外のレストランのようです。
「知らないな。神さまって。新興宗教かなんかの人たちが言ってるの?」
「さすがにメディアでは流れないけれど、噂を聞いてる人が多いと思うよ」
霊くらいならともかく、「神さま」じゃあなあ。
 
「どこに降りて来るんだって?」
「高●寺だったか、西●窪だか、中央線沿線の駅前だって」
「何でまた、そんなごちゃごちゃしたところに・・・。もっと、広いところに現れればいいのに」
「電車に乗って来るのかしらね。ふふ」
「駅前まで車で乗り付けたりはしないだろ。歩いてくるか、やはり電車」
「神さまが電車に乗ったら、吊革につかまるのかな」
「世間の噂になっているのなら、周りに報道を従えて来るんだろ。どうせ偽導師のたわごとだろ。この世の終わりが来るって類の話と一緒だろ。一度も来たためしはない。ま、終わりが来てれば、こうやっていられないんだから、全部外れだったってことだろ。この世の終わりの話より、神さまが現れるって話のほうがウソ臭いよ」
「別にわたしは、それを言ってる人たちの味方じゃないよ。ただ世間の噂だって話」
「それもそうだ」
 
それきり、神さまの話のことをすっかり忘れていました。
その日。私はたまたま、その降臨の候補地のひとつである高●寺を訪れたのです。
どうしても鰻のせいろ蒸しが食べたくなり、店を探したのですが、東京周辺には数店しかありません。
20年以上も前、この町の寿司屋で食べたことがあるのを思い出し、行ってみることにしたのでした。
 
改札口を出て、左に曲がり、駅構内から外に出た瞬間に、「神さま」のことを思い出しました。
思い出さざるを得ないのも当然で、駅の前には人がごった返していました。
「なんじゃこれ」
(この人数じゃあ、1万人はいそうだぞ。なるほど。今日が神さまの日か。)
神を待つ人々は、どこを見るでもなく、ただ駅前に立っていました。
 
「こりゃダメだ。帰ろう」
そう思い、後ろを振り返ると、改札口はホームから降りようとする人たちで壁が出来ていました。
「まずったな。これじゃあ、進むに進めないし、帰ろうにも帰れない」
肩や背中に他の人の体がぴったりくっつくほど、人が溢れています。
 
「来た!来た!」
誰かが叫びました。
マジかよ。
「電車に乗って来るのかしらね」という友人の声が甦ります。
しかし、駅前広場にも、駅の構内の方にも変化は見えませんでした。
(神さまは、一体どこから来てるんだろ。)
 
「ほら。あそこ!」
声を上げた誰かが指差す先は空でした。
上かあ。なるほど神さまだけに、天から降りて来るわけだ。
あわてて上を見上げると、空のかなたに白い光が見えています。
確認するのに苦労するほど小さな光でした。
なんだ。良くて、UFOじゃないか。
ここで、「UFOなら充分じゃないか」と思い直します。
 
「降りて来るぞ」
神さまは、ゆっくりと下に降りつつあるのか、白い光が大きくなり、かつ徐々に下がって来ました。
頭の中で、私はなぜか、光に包まれた観音様が地上に降り立つ姿を思い浮かべました。
「来る。来る。噂は本当だったんだ」
隣に立っていた若い女性が呟いています。
 
大群衆が見守る中で、空の上の白い光は、次第に降下して来ました。
あと1分かそこらで、この真上に来そうです。
近づくごとに白い光が輝きを増し、だんだん眩しくなってきました。
そこで私は胸ポケットからサングラスを出します。
そのサングラスで神さまを見ると、何やら光の上に赤いものが見えました。
「あれ。あれって何だろ」
眼を凝らして、光の上を見つめます。
 
「何か赤いものが見える」
隣の女性もそれに気づいたようです。
「あれって・・・」
私もその赤い色の正体がわかりました。
「文字だ」
「文字だわ」
そこに見えていたのは、銀色の円筒の上に書かれたハングルでした。
 
ここで覚醒。
日中にせいろ蒸しが食べられる店をさがしていたのですが、これに、このところのニュースによるイメージが重なったようです。