日刊早坂ノボル新聞

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◎夢の話 第997夜 天女降臨

夢の話 第997夜 天女降臨

 十月二十三日の午前三時に観た夢です。

 

 ふと我に返ると、どこか知らぬ高い山の上にいた。

 百㍍先にはパルテノン神殿みたいな荘厳な建物が見える。

 「おお。俺はあれを見に来たのだな」

 なだらかな坂を上り、神殿に近づく。

 

 空は真っ青でほんの少し白い雲が浮いているだけだ。

 そのまま眺めていると、その雲の中から、何かがゆっくりと降りて来た。

 「ありゃ何だろ」

 降りて来る「何か」も雲同様に白いから、見極めがつかない。

 そのうち、その「何か」は神殿の屋根付近まで下がった。

 

 「ありゃ。女だ」

 白い衣を着た女が宙を舞うように飛んでいたのだ。

 スゲーな。神殿の上を飛んでいるわけだし、まさに天女だ。

 天女は神殿の周りを円を描くように飛んでいたが、次第に俺たち観光客の上に近づいて来た。

 天女の顔まで見える。

 きっと穏やかな表情をした美女だろうな。

 やはり、それを期待してしまう。

 

 「何だかおかしいぞ」

 十五㍍上空を飛ぶ女の顔は、物凄く険しく、下の人間を睨みつけているかのよう。

 まるで品定めをしているようだ。

 白い羽衣の方も、実は着物ではなく、アホウドリみたいな鳥の羽だった。

 顔は女だが、体は鳥で出来ていたのだ。

 

 「おい。早く神殿の中に逃げろ。ありゃハーピーだ。神話に出て来る化け物だぞ」

 俺は他の観光客をその場に置き去りにして、神殿に走った。

 ここで覚醒。

 

 実際の夢では、「呆気にとられ空を見上げていた」のだが、それでは面白くないので、「他の者を置き去りにした」と盛った。

 女の顔はいわゆる「美女」の域だが、猛禽類みたいな獰猛な表情だった。

 人間の本性は自分勝手だから、あの顔を見れば、きっと皆が「我勝ちに逃げ出す」と思う。