日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第184夜 不動明王

夜のニュースを見ながら寝入ってしまいました。
何度かトイレに起き、朝の5時頃にまた眠りましたが、その最後に見た短い夢です。

「大仏さまを見に行こう」ということになり、妻と息子との3人で出掛けました。
大仏さまは、ある山の中腹にあります。

木々の間をくぐるように坂を上って行くと、急に視野が開けました。
山の斜面を切り開いて作った原っぱです。広さは2百短擁?らい。
その中央に、大仏さまが座っていました。

「大きいなあ。鎌倉の大仏の3倍はありそうだ」
「どうやってここまで運んだのかな。まさかここで作ったとか」
「ここじゃあ、無理だろ」
妻と話しながら、大仏に近寄ります。

「何だか色が黒いわね」
「そうだな。青黒い感じ。こういう色の大仏は見たことが無い」
「顔もコワイ」
その仏さまは極めて険しい表情をしていました。
「仏さまって、優しい顔をしてるんじゃないの?」
「珍しいよな」

山を降り、麓からもう一度大仏を見上げます。
木々の間に、胸から上の部分が見えていました。
やはり青黒い大仏でした。
ここで、妻が驚きます。
「火が見える!」
大仏の背後に炎が燃え上がっています。

「なるほど。青黒い肌に、険しい表情。背後に火炎とくれば、あれは不動明王だったんだな」
「生きてるみたい。今にも動き出しそうだわ」

麓の道を里に下って行きます。
これは上ってきた道とは別の道でした。

遠くから、人の声が聞こえます。
大人数の声で、群衆が何やら喚きたてながら行進するような音です。
振り返ると、上りの際に通った道にデモ隊のような群れが見えます。
かなり遠くて、5百辰藁イ譴討い襪茲Δ任后

「あれ、何?」
「何だろうね。何か口々に喚きたてている」
目を凝らしてみると、その群衆は、ひとり1人が手に手に槍や刀、鎌など、武器らしきものを掲げています。
「何だあれ。百姓一揆か」
所々に、白い幟が立っています。

暫らくの間、眺めていると、その人々の様子が見え始めました。
その実態は、人とも妖怪ともつかぬ異形の者たちでした。
「うわ。ありゃ人間じゃないぞ。百鬼夜行か」
その群衆はおどろおどろしい亡者の群れでした。

「こりゃいかん。早くここを離れないと」
頭の中で、「ここは現世ではない。地獄の中に迷い込んだのだ」という声がします。
「おい、お前たち。走って逃げろ。トーサンは後から行く。お前たちは先に逃げろ」
息子は私の言葉を聞き入れ、小走りで前に進みます。
しかし、妻は私の横に留まっていました。
「お前も一緒に行け」
妻が首を振ります。
「ワタシ。お父さんがいないとダメなの。父さんと一緒にいる」
「バカやろ。あんな化け物たちに掴まりたいのか」
いくら叱咤しても、妻は動きません。

もう一度振り返ると、亡者の大群衆は大仏さまの山門まで来ていました。
私たちまではあと2百辰竜?イ任后
視線を上の方に向けると、不動明王の頭の上で、雲がぐるぐると渦巻いています。
お不動さまは、いよいよ青黒く、怒っています。
後ろの火炎は天まで届きそうな勢いでした。

「ああ、大丈夫なんだ。不動明王はあの亡者たちを救おうとしているのだ」
すっと気が楽になります。
お不動さまがあまりに猛り狂った表情なので、私はそれまで自分に何か落ち度があるので、責められているのかと思っていました。
「仏さまって、本当にいるんだな」
何とも言えない感慨を覚えます。

ここで覚醒。

目覚めた時に感じたことは、妻との縁です。
地獄の中まで一緒に行くってのは、並々ならぬ縁があるってことですね。
かつて、色んな占い師に見てもらったことがありますが、皆が妻のことを見て驚きました。
「スゴイ。3回生まれ替わっても、必ず幸福になるような強運の持ち主です。お金に困ることは無く、また何か困難があっても回りの人が助けてくれる」
手相などは「何十万人に1人」くらいの相らしい。
不動明王が見守っているのは、差し詰め、私ではなく妻の方だろうな、と思います。