日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

家電との対話 その2

 後になってニュースで知ったのですが、そのT市の我が家の周辺には16ヵ所に上る廃棄物の焼却場があり、毎日ゴミを燃やしていたそうです。
 昼の間に、16ヵ所が一斉に燃やしたら、もちろん、公害問題になるわけですが、そこは営業する方も知恵を働かせており、主に夜の間に燃やした。
 実際、暗くなると、季節を問わず「なぜか靄が出る」のは感じていました。
 しかし、高濃度のダイオキシンが土壌から検出されるまでは、喘息の原因にまでは考えが及びません。

 あの土地を出たので、健康が改善されたのは確かです。
 そのせいで、夫婦の不和の問題も良くなりました。
 あの異常現象は、「ここは良くないところだから、早く出て行け」と教えてくれたのかもしれません。

 と書いたら、まるで「本当にあった〇〇な話」みたいなオチになってしまいます。
 ちょっと違うでしょうね。
 この分野は、それほど甘くありません。ちょっとお祓いをしたからといって、いなくなってはくれません。霊感師が除霊をしたら、「パッタリと止んだ」なんてことは、滅多にないのです。

 引っ越しした後、異常な現象は今も続いています。
 もちろん、かつてのようにひどくはありません。お皿も音を立てたり、横に滑って動いたりしません。
 T市のときとは違い、今は何かメッセージがある時にだけ、家電が変な動きをするようです。

 以前、冷蔵庫の話を書いたと思います。
 夢に不動明王を見たので、実際にお不動さまにお参りに行ったのですが、帰宅してみると、冷蔵庫が止まっていました。
 4/5のスペースが冷えなくなると、さすがに「新しいものを買おう」という話になります。
 ところが、家電屋に行こうという日になると動き出します。
 「何だ。霜取りでもかかっていたのか」と、買い替えを止めました。
 しかし、また前と同じ生活に戻ろうとすると、再び機能しなくなります。

 この時、私はT市に住んでいたころを思い出しました。
 「そう言えば、あの時は半ば『お告げ』のような意味があったよな」
 思い当るふしはあります。
 私は若い頃から自堕落で、「オヤジの三拍子」三昧でした。もちろん、オヤジの三拍子とは、飲む・打つ・・・ってヤツです。
 これは死ぬまで変わりません。
 それでも、「このところ、家人をないがしろにしてきたのかも」という自覚はありました。
 「ちょっと、やり過ぎたようだ」と反省する気持ちも持っています。

 そこで、動きを止めている冷蔵庫のドアに手を置き、「色々済まなかった。これからは家族のことをもっと大切にする」と念じました。
 「だから、動いてくれ」
 もちろん、ただの言葉だけではなく、心底からそう思っています。
 家人には「こんな自堕落なダンナを、よくぞ見限って離婚しようと思わずにいてくれた」と感謝しているのです。
 それから買い物に出掛け、帰宅してたら、冷蔵庫は動き出していました。
 しかもキンキンに冷えた状態です。
 
 「T市に住んでいたころを憶えているか?これって、あの時とほとんど同じだよな」 
 そう家人に呟くと、家人は「たぶん、みんな私たちについて来ているのよ」と答えました。
 なるほどなあ。
 皿は動かず、テレビやエアコンが点いたり消えたりしないけれど、誰もいないはずの2階の廊下を、小走りで走る子どもの足音は今でも聞こえます。

 もっと、具体的な話を書きたいけれど、オヤジの三拍子の不始末と、それに伴って起きた異常な現象を記すことになってしまいます。ま、「バクチで〇百万スッた」てな類の話ですが、冷蔵庫の件だけで勘弁してください。