日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第203夜 啓示

月曜の夜に、夕食の支度を終え、テレビの前に座ったところ、十分で眠りに落ちていました。
これは、その時に見た短い夢です。

眼を開くと、自分の前は荒れ果てた砂漠のようなところです。
あるいは火星かも。

遠くに人影が見えます。
1キロは離れていそうで、小さな塩の塊のように見えます。
塩に見えたのは、その人たちが白装束で、アラブ人のような服を身に着けているからです。
2つ見えるので、2人いるのでしょう。

次の瞬間、「しゅん」と音が鳴った感じで、2人は目の前に立っていました。
ああ、この人たちは、時折、私に道を示しに訪れる人たちです。
いつも2人連れでやって来ます。

(あ、夢だ。この人たちが見えるということは、オレは今、夢の中にいるわけだ。)
これもいつものことですが、自分が夢の中にいることを自覚します。

しかし、その2人は、いつになく険しい表情をしていました。
年かさの方が口を開きます。
「ね。お前は何をやってるの?」
完全に詰問口調です。
「・・・」(返事が出来ません。)
「私はお前は何を悩んでいるのか、と訊いているんだよ」
そこで、問われていることがわかりました。

このところ体調が悪く、頻繁に不整脈が発生するせいで、心臓がドコドコと「乱れ太鼓」を打ってます。
そうなると「もはやこれまでではないか」、「子どもたちの行く末は」などと、この先の不安に心が占領されてしまいます。

「もう2回も死んで、その度に生き返って来てるんだから、いい加減、死ねばどうなるかはわかってんだろ。なら何をくよくよ考えることがある」
確かに2度ほど、三途の川らしきところを訪れたことがあります。
「あの世の本当の姿を、お前は知っている。なら死ぬことを恐れ、悩み苦しむことはないではないか。今生にこだわりながら死ぬと、ロクなことにならないぞ」
「はい。すいません」
(問い質されると、素直に謝ってしまいます。)

「今生というのは、ただの肉体の盛衰を指す。肉体とはすなわちそれは人の魂を覆う殻のことだろ。死ねば終わりと考えるのは、その殻がすべてだと考える愚かな考えだ。霊魂が存在しているのは、自意識が存在しているということで明白だろ。心が存在することは証明する必要がない事実だが、心だけを取り出して見せることは出来ないのだ。取り出せないのは、心が存在しないということではない。それと同じ」
そりゃそうです。でも、この世には「霊魂は存在しない」と信じる迷信家が結構います。
それって、「自分は存在しない」と言い張るのと同じ意味だよな。
存在してるでしょ。現に言い張ってるわけだし。

「お前ね。何度もメッセージを送っているだろ。何くよくよ考えてるの?」
「体が言うことを聞かなくなって来て、思うように生きられないのです」

「肉体は心を覆う殻のようなものだ。心は霊魂に繋がる。もし、その者が殻の中に閉じこもっていれば、外は見えない。だから、外の世界がどういうものか想像するしかない。死ねば、殻と共に自我が無くなる。それが霊魂の本来あるべき姿だ。お前たちは、死んでも自我を捨てられない者のことを幽霊と呼ぶが、霊の世界では残りカスのようなもので、ただの亡者のことだ」
そういやあ、写真を撮る度に、オーブが写っていた時期がありました。埃だとか難癖を付けられないように、ひとつ1つにしっかり顔の乗ってるヤツが。
あれは、あの世に行けない魂のことだってわけです。

「お前は2回死んだことがある。その時実際に見ているだろ。なら、なるべく他の人に正しい知識を伝えねばならない。死ぬのはそんなに悪いことじゃない。こだわりを捨てれば、仲間のところに行ける」
「はい。わかりました」

この時、頭の上のほうで、ボボボという音がしました。
空を見上げると、大きな白い煙の球が浮かんでいます。
太陽のようでもありますが、眩しくないし、熱も感じません。
(なるほど。物的世界を成り立たせているのが太陽で、霊界を形作っているのがあの巨大オーブか。)
なんとなく納得します。
太陽とあの巨大オーブは対になっているのです。

しばらく眺めていると、その大きな煙玉から、小さな白い球がツーっと飛び出しました。
元の煙玉の何千分の1くらいのサイズです。
同じような細かい球が何百と、放射状に飛び出して行きます。
「あの小さい粒が、ひとり1人の魂になるわけだな」
煙の筋が消えるくらい遠ざかったところで、殻を身にまとうわけです。

同じようなものを前にも見たことがあります。
息子の通う小学校で、オーブ写真を取ったことがありますが、その白い煙玉からは光の筋が放射状に流れていました。
あれは、きっとこの巨大オーブの姿を象徴したものなのでしょう。
「きれいだな」
ふう、とため息をつき、視線を元に戻すと、2人の使者は目の前から消えていました。

ここで覚醒。

眼が醒めて、最初に口から出た言葉は「困ったな」です。
殻の中に閉じこもっている人たちに対し、どうやって殻の外の説明をすれば良いのでしょうか。
心臓が止まってみれば、簡単にわかりますが、だいたいは戻って来られません。

完全に覚醒しても、やっぱり胸は重く苦しいままです。うーん。