日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第252夜 娘を返せ

いつも夜に活動し、朝方眠りにつく生活です。目覚めるのは昼前くらい。
これが習慣になっており、何か家族イベントがあったりした時に、他の者に合わせるのは大変です。
めずらしく夜の11時に寝られたのに、悪い夢を観て目覚めてしまいました。
明日は朝から用事があるのに、これからどうしよう。

さて、その不快な夢はこんな内容です。

高校生の息子が山で遭難したとの連絡が入る。
とるものもとりあえず現地に向かう。
息子は高校の主催する合宿に行ったのだが、先生・生徒含め200人が下山予定時刻を過ぎても降りて来なかった。

電話が来たのは、その日の夜。
すぐに車に乗って、4時間先の〇〇峠に向かった。
麓の民宿には、既に対策本部が出来ていて、警察やら地元のボランティアが沢山いた。

家族控室があったので、そこで待っている。
小一時間すると、妻も到着した。
「おい。美菜はどうした?」
美菜は娘で、まだ3歳。その娘を妻は連れて来ていない。
「向かいの家に預かってもらった」
「大丈夫か」
「こんな時だから遠慮しないでね。うちで預かりますと、向かいの人に言われたのよ」

程なく、高校生たちの行方がわかった。
途中の山道が崖崩れのために通れなくなり、峠を大きく迂回して戻ったのだ。
これで8時間も余分にかかったらしい。
山岳地なので、携帯電話は通じない。

やれやれ。
高校生たちは、そのまま宿に泊まり、翌日にバスで帰ることになった。
ひと足先に、親2人だけ車で帰った。
夫婦別々の車で来たので、帰路も別々だ。

さすがに疲れた。
ほとんど3日寝ていない。
途中のサービスエリアで30分ほど仮眠を取り、再び家路につく。

家に着くと、向かいの家の前で、妻がなにやら押し問答をしている。
「もう大丈夫ですから」
「いや、美菜ちゃんは寝てるからダメです」
その家の玄関の前に歩み寄る。

そこの奥さんがオレを見るので、軽く頭を下げた。
最初に妻に話しかける。
「どうしたの?」
妻は険しい表情だ。
「美菜を返してくれないと言うのよ」
「え?どういうこと?」
後ろでその家の奥さんが口を開く。

「美菜ちゃんはまだ寝ています。起こしたら可哀そうだから、このまま寝かせてあげましょう」
頭の後ろから声が出てるような浮ついた話し方だ。
そう言えば、この家は夫婦とも変わり者だったよな。
この夫婦には子どもがいない。小さい子を手元で世話してみたら、簡単には返したくなくなったか。
でも、明日になればもっと返したくなくなる。

「お陰様で息子は無事でした。今は両親が帰ったのです。娘を渡してもらえると、親も安心して休むことが出来るのですが・・・」
「いえ、ダメです。3歳の子どもですもの、起こしては可哀相」
今度は断固とした口調だ。

やれやれ。
厄介事がひとつ終わったと思ったら、別のが始まっていやがる。
ヤバイなあ。
オレはいざ怒りだしたら、自分を止められない。
勤め人だった頃は、エラソーなことを言う上司や、役人、政治家を、何度も病院送りにしてしまった。
相手にとってはトラブルがあること自体がマイナスの効果を持つので、これまで訴えられたことはない。
オレが自由業でいるのも、こういう性格のせいだ。

(怒ったらダメだよな。この家の人たちは元々いけすかないから、うっかりやり過ぎて殺してしまいそうだ。)
しばらく口を閉じていようとする。
オレの前では、妻とその家の奥さんが、もはや言い争いを始めそうだ。

いかんなあ。もうじきだ。
もちろん、オレがキレるまでの間のことだ。
「娘を返してくれない」と警察を呼んでしまった方が早いかも。
この家とは絶縁することになるだろうが、少なくとも殺してしまうことはない。

あ-、いかんいかん。
数歩下がって、向かいの奥さんから視線を外す。
そこはオレの家の庭で、ちょうど手ごろな大きさのスコップがある。
オレの視線は、そのスコップから1センチも動かなくなった。

ここで覚醒。

息子や小さい娘は、何かの象徴だろうと思いますので、夢らしい夢と言えます。