日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第378夜 この世の終わり

月曜の夜12時頃に見た夢です。

家族とどこかホテルのような建物にいる。
家族皆で旅行に来たのだ。
大きなホテルで、500を超える部屋数だ。

「きれいなところだね」
遠くに山が見える。富士山みたいな高い山だ。

廊下を歩いて、自分たちの部屋に向かった。
廊下の左手は全面が窓で、すぐ間近に木々が見える。
青々とした緑だ。

息子が前を歩き、夫婦がその後ろ。
娘たちは背後にいる筈だ。

突然、廊下が波打ち始める。
地震が来たのだ。
「うわあ。こいつは強いぞ」
柱の近くに行き、周りの様子を見る。
外にはいくつかビルが見えているが、皆グラグラと揺れている。
「こりゃいかん」

床にヒビが入る。息子の周りがギシギシと割れて行く。
「崩れるかもしれんぞ。こっちに来い」と、息子に叫ぶ。
息子は割れ目を避け、向こう側に行こうとするが、そっちは端なので建物が崩れるとすればそっちからだ。
「ばかやろ。こっちに来い」
父母の周り2短擁?呂ろうじて無事だ。
ちょうど鉄筋の交差する上らしい。
息子が割れ目を迂回して、近くに寄って来る。

がらがらと建物が崩れ始める。
やはり、さっき息子がいた方角から、壁が崩れて来る。
「あそこに非常口がある。あそこから出て反対側に逃げよう」
娘たちを先に行かせ、息子を待つ。
「お前も先に行け。オレはあいつを待つ」
妻が首を振る。
「嫌だよ。私はお父さんと一緒にいる」
「ばかやろ。ここはすぐに壊れる。娘たちと先に逃げろ」
今日2度目の「ばかやろ」だ。
「オレの体じゃあ、もしお前が怪我をしても、お前を背負って逃げることは出来ない。だから先に逃げろ。オレは息子を連れて行く」
妻は悲しそうな目をしてオレを見たが、言われた通り、娘たちの後を追った。
「下に大きな岩盤があるところに逃げろよ」
この判断が合っているかどうかはわからないが、地面の割れ目に吸い込まれるよりはましだ。

息子がようやく近くに来る。
そこで息子と一緒に建物の外に出る。
回りの建物が半壊状態になっている。
揺れは少し収まっていた。

「お母さんたちは無事だったのかな」
前の方に3人の姿が小さく見える。
「どうやら大丈夫だったようだ」

再び地面が揺れ始める。
さっきと同じくらいの強さだ。
足元の地面がぐずぐずに崩れ始める。
「シン(息子の名)。建物の傍から離れよう」
転げながら、先に進もうとする。

地面がぱっくり割れる。
「わあ」
割れ目に落ちそうになり、むき出しの鉄骨に掴まった。
息子は半ば穴に落ちそうだったが、割れ目の壁面から飛び出している岩に掴まった。
オレの掴んでいる鉄骨の先は2つに割れていた。
「このままでは数分ともたないな。何とか息子だけでも助けよう」
オレは鉄骨が2つに別れた隙間に、右の拳を差し込んだ。
こうすれば握力は要らない。ただ痛いだけだ。

息子は1辰らい下の壁面にしがみついている。
「おい。オレの体を伝って上に行け。早くしろよ」
息子がオレのことを見上げる。
「でも」
「ばかやろ。オレはあと1分くらいしかこうやっていられない。早く登れ」
息子が壁をよじ登って、オレの体に掴まる。
息子は大柄なので、右手が千切れそうだ。
もはや声も出ない。

息子は父親の体をロープ替りにして、壁の上までたどり着いた。
「父さん。今引き上げるから」
息子が手を伸ばす。
オレは息子のことを制止した。
「オレのことはいいから、母さんの所に行け。これから母さんを守るのはお前だぞ」
息子の表情が曇る。
「でも、父さん」
オレは息子を怒鳴りつける。
「早く行け。時間を無駄にするんじゃないぞ」

再びグラグラと地面が揺れ始める。
「行け!このバカ息子」
父親の厳しい口調に、ようやく息子がその場を離れる。

ああ良かった。
ひとまず息子たちには生き残るチャンスがある。
オレはここで下を向いた。
オレの下には、30辰らいの深さの穴が出来ていた。

それから顔を上げて回りの様子を見た。
空には沢山の黒煙が上がっている。
ぐるっと首を回すと、視界の隅に山の頂上が見えた。
その富士山みたいな山は、天高く火柱を上げ、大噴火を起こしていた。
「うわあ。これじゃあ、生き残れる人は僅かだろうな」

手の甲の骨が音を立てて折れる。
不思議に苦痛は感じない。
「だが、ここがオレの死に場所だな」
右の拳の力を緩める。
右手はがっちりと鉄骨に挟まれていたが、手の皮と肉が剥け、オレは空中に投げ出された。

ここで覚醒。

夢判断的には「これから大きな変化が起きること」の現れだと言われるでしょう。
あるいは、自分や身近な人が重い病気になったり、とか。
しかし、つい先日、映画館にいる時に地震に遭い、家族揃って緊張した経験をしたことと、昼に「地震対策のために」と非常用品一式を入れるリュックを買ったところです。その影響があるのかもしれません。
多少なりとも良い兆しと言えそうなのは、「自分が死ぬ夢」だということです。