月曜の夜12時頃に見た夢です。
家族とどこかホテルのような建物にいる。
家族皆で旅行に来たのだ。
大きなホテルで、500を超える部屋数だ。
「きれいなところだね」
遠くに山が見える。富士山みたいな高い山だ。
廊下を歩いて、自分たちの部屋に向かった。
廊下の左手は全面が窓で、すぐ間近に木々が見える。
青々とした緑だ。
息子が前を歩き、夫婦がその後ろ。
娘たちは背後にいる筈だ。
突然、廊下が波打ち始める。
地震が来たのだ。
「うわあ。こいつは強いぞ」
柱の近くに行き、周りの様子を見る。
外にはいくつかビルが見えているが、皆グラグラと揺れている。
「こりゃいかん」
床にヒビが入る。息子の周りがギシギシと割れて行く。
「崩れるかもしれんぞ。こっちに来い」と、息子に叫ぶ。
息子は割れ目を避け、向こう側に行こうとするが、そっちは端なので建物が崩れるとすればそっちからだ。
「ばかやろ。こっちに来い」
父母の周り2短擁?呂ろうじて無事だ。
ちょうど鉄筋の交差する上らしい。
息子が割れ目を迂回して、近くに寄って来る。
がらがらと建物が崩れ始める。
やはり、さっき息子がいた方角から、壁が崩れて来る。
「あそこに非常口がある。あそこから出て反対側に逃げよう」
娘たちを先に行かせ、息子を待つ。
「お前も先に行け。オレはあいつを待つ」
妻が首を振る。
「嫌だよ。私はお父さんと一緒にいる」
「ばかやろ。ここはすぐに壊れる。娘たちと先に逃げろ」
今日2度目の「ばかやろ」だ。
「オレの体じゃあ、もしお前が怪我をしても、お前を背負って逃げることは出来ない。だから先に逃げろ。オレは息子を連れて行く」
妻は悲しそうな目をしてオレを見たが、言われた通り、娘たちの後を追った。
「下に大きな岩盤があるところに逃げろよ」
この判断が合っているかどうかはわからないが、地面の割れ目に吸い込まれるよりはましだ。
息子がようやく近くに来る。
そこで息子と一緒に建物の外に出る。
回りの建物が半壊状態になっている。
揺れは少し収まっていた。
「お母さんたちは無事だったのかな」
前の方に3人の姿が小さく見える。
「どうやら大丈夫だったようだ」
再び地面が揺れ始める。
さっきと同じくらいの強さだ。
足元の地面がぐずぐずに崩れ始める。
「シン(息子の名)。建物の傍から離れよう」
転げながら、先に進もうとする。
地面がぱっくり割れる。
「わあ」
割れ目に落ちそうになり、むき出しの鉄骨に掴まった。
息子は半ば穴に落ちそうだったが、割れ目の壁面から飛び出している岩に掴まった。
オレの掴んでいる鉄骨の先は2つに割れていた。
「このままでは数分ともたないな。何とか息子だけでも助けよう」
オレは鉄骨が2つに別れた隙間に、右の拳を差し込んだ。
こうすれば握力は要らない。ただ痛いだけだ。
息子は1辰らい下の壁面にしがみついている。
「おい。オレの体を伝って上に行け。早くしろよ」
息子がオレのことを見上げる。
「でも」
「ばかやろ。オレはあと1分くらいしかこうやっていられない。早く登れ」
息子が壁をよじ登って、オレの体に掴まる。
息子は大柄なので、右手が千切れそうだ。
もはや声も出ない。
息子は父親の体をロープ替りにして、壁の上までたどり着いた。
「父さん。今引き上げるから」
息子が手を伸ばす。
オレは息子のことを制止した。
「オレのことはいいから、母さんの所に行け。これから母さんを守るのはお前だぞ」
息子の表情が曇る。
「でも、父さん」
オレは息子を怒鳴りつける。
「早く行け。時間を無駄にするんじゃないぞ」
再びグラグラと地面が揺れ始める。
「行け!このバカ息子」
父親の厳しい口調に、ようやく息子がその場を離れる。
ああ良かった。
ひとまず息子たちには生き残るチャンスがある。
オレはここで下を向いた。
オレの下には、30辰らいの深さの穴が出来ていた。
それから顔を上げて回りの様子を見た。
空には沢山の黒煙が上がっている。
ぐるっと首を回すと、視界の隅に山の頂上が見えた。
その富士山みたいな山は、天高く火柱を上げ、大噴火を起こしていた。
「うわあ。これじゃあ、生き残れる人は僅かだろうな」
手の甲の骨が音を立てて折れる。
不思議に苦痛は感じない。
「だが、ここがオレの死に場所だな」
右の拳の力を緩める。
右手はがっちりと鉄骨に挟まれていたが、手の皮と肉が剥け、オレは空中に投げ出された。
ここで覚醒。
夢判断的には「これから大きな変化が起きること」の現れだと言われるでしょう。
あるいは、自分や身近な人が重い病気になったり、とか。
しかし、つい先日、映画館にいる時に地震に遭い、家族揃って緊張した経験をしたことと、昼に「地震対策のために」と非常用品一式を入れるリュックを買ったところです。その影響があるのかもしれません。
多少なりとも良い兆しと言えそうなのは、「自分が死ぬ夢」だということです。