検査のため病院に行きました。
待ち時間が長く、込み入った検査も有り。かつ2つの診療科を回ったので、半日かかってしまいました。
帰宅すると、通院疲れが出て、居間で横になりました。
これはその時に観た短い夢です。
目が醒めると、電車の中に立っている。
地方の電車で、4人掛けのボックス席が両側に連なるつくりだ。
「私は誰?」
自分が来ている服は高校の制服で、しかも女子のものだった。
外は少し薄暗い。
なるほど。私は部活を終えて、帰宅するところなのだった。
電車の中は混雑しており、通路にも人が立っている。
帰宅しようとする勤め人や学生がたくさん乗る時間帯だ。
疲れているのか、回りの人は、座っている人も立っている人も、一様に目を瞑っていた。
秋の大会が近いので、毎日、練習がキツい。
疲労からか、家に着くまでの時間が長く感じる。
私は窓の外の夕焼けをぼんやり眺めている。
何気なくボックス席の客たちに目が行った。
4人座っているが、皆知り合いのようだ。
何かボソボソと話をしているが、線路のがたんごとんという音でかき消される。
女性が3人と、帽子を被った人が1人。
女の人たちは、皆40歳台のように見える。
帽子をかぶった人は下を向いているので、顔がよく見えない。
男?女?
変わった形の帽子だが、よく見ると、その人が被っていたのは、そもそも帽子ではなかった。
これは頭巾だ。
頭から肩まですっぽりと隠れるような頭巾をかぶっていたのだ。
どこかで見たことがあるなあ。
ああ、そうだ。偉いお坊さんとかが被る頭巾だった。
確かどこかのお寺にある即身仏も被っていた。
少し眠くなってくる。
瞼が下がり、半開きだ。
でも、私が降りる駅は2つ先なので、起きていないとね。
椅子の背もたれの端っこに掴まり、薄目を開けて耐えている。
「お坊さん」が巾着袋から何かを取り出した。
取り出したのも、小さな巾着袋だった。
その口を開くと、中に入っていたのは、深い緑色をした丸い形の石だった。
大きさはちょうど卵と同じくらいだ。
女性たちが額を寄せて、その石を見ている。
「お坊さん」は座布団みたいな布の上に石を載せて、女性たちに見せている。
そして、それから左手に持った石の上に右手をかざした。
すると、あろうことか、その石はオレンジ色に光った。
それも、「発光した」という言い方の方がふさわしいくらいの「まばゆい光」を周囲に放ったのだ。
私はびっくりして、「わっ」と声を上げてしまった。
すると、その「お坊さん」が顔を上げて、私の方を見た。
「お坊さん」は男のようだったが、両目が真っ青だった。
それだけではない。
顔を上げた瞬間に、頭巾の奥が見えかかったが、頭巾の中はずっと頭だった。
頭巾は後頭部に向けて長く伸びていたが、耳の後ろの方と、頭巾の質感から見て、先の方まで頭が入っているように見えたのだ。
私はもう一度、「わあ」と声を上げてしまった。
普通の人の2倍以上も後頭部が長い人なんて、この世にいるわけがない。
咄嗟のことだったが、私の口から出た言葉は、「いけない。乗り越した」だった。
その「お坊さん」のことを見て驚いたのだと思われたくないからだ。
あの人たちにどのように受け止められたかはわからない。
すぐに私は電車の出口の方に行き、次の駅で一旦電車を降りたからだ。
そこは私の降りる駅ではないので、一車両ほど後ろに走り、後ろの入り口から同じ電車の別の車両に乗り換えた。
「ふう」とため息が出る。
この世には、説明のつかない物、普通でない人が存在するのだ。
ここで覚醒。
25年以上前に、親戚の女子高生から聞いた話を、当事者の立場で夢に観たようです。
その当時は、「長頭人」のことについて誰も知りませんでしたが、今なら情報が沢山ありますね。
ペルーかどこかで、数年前にもミイラが発掘されたと思います。
「今もたくさんの長頭人が生きている」という説がありますが、親戚の女子高生が「あの時はホントにびっくりした」と話す表情には、リアル感が溢れていました。
これは出来事を追体験する夢なので、ドラマ性が薄かったのだろうと思います。