日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第276夜 長頭人

検査のため病院に行きました。
待ち時間が長く、込み入った検査も有り。かつ2つの診療科を回ったので、半日かかってしまいました。
帰宅すると、通院疲れが出て、居間で横になりました。
これはその時に観た短い夢です。

目が醒めると、電車の中に立っている。
地方の電車で、4人掛けのボックス席が両側に連なるつくりだ。
「私は誰?」
自分が来ている服は高校の制服で、しかも女子のものだった。
外は少し薄暗い。
なるほど。私は部活を終えて、帰宅するところなのだった。

電車の中は混雑しており、通路にも人が立っている。
帰宅しようとする勤め人や学生がたくさん乗る時間帯だ。
疲れているのか、回りの人は、座っている人も立っている人も、一様に目を瞑っていた。

秋の大会が近いので、毎日、練習がキツい。
疲労からか、家に着くまでの時間が長く感じる。
私は窓の外の夕焼けをぼんやり眺めている。

何気なくボックス席の客たちに目が行った。
4人座っているが、皆知り合いのようだ。
何かボソボソと話をしているが、線路のがたんごとんという音でかき消される。

女性が3人と、帽子を被った人が1人。
女の人たちは、皆40歳台のように見える。
帽子をかぶった人は下を向いているので、顔がよく見えない。
男?女?
変わった形の帽子だが、よく見ると、その人が被っていたのは、そもそも帽子ではなかった。
これは頭巾だ。
頭から肩まですっぽりと隠れるような頭巾をかぶっていたのだ。

どこかで見たことがあるなあ。
ああ、そうだ。偉いお坊さんとかが被る頭巾だった。
確かどこかのお寺にある即身仏も被っていた。

少し眠くなってくる。
瞼が下がり、半開きだ。
でも、私が降りる駅は2つ先なので、起きていないとね。
椅子の背もたれの端っこに掴まり、薄目を開けて耐えている。

「お坊さん」が巾着袋から何かを取り出した。
取り出したのも、小さな巾着袋だった。
その口を開くと、中に入っていたのは、深い緑色をした丸い形の石だった。
大きさはちょうど卵と同じくらいだ。
女性たちが額を寄せて、その石を見ている。

「お坊さん」は座布団みたいな布の上に石を載せて、女性たちに見せている。
そして、それから左手に持った石の上に右手をかざした。
すると、あろうことか、その石はオレンジ色に光った。
それも、「発光した」という言い方の方がふさわしいくらいの「まばゆい光」を周囲に放ったのだ。

私はびっくりして、「わっ」と声を上げてしまった。
すると、その「お坊さん」が顔を上げて、私の方を見た。
「お坊さん」は男のようだったが、両目が真っ青だった。
それだけではない。
顔を上げた瞬間に、頭巾の奥が見えかかったが、頭巾の中はずっと頭だった。
頭巾は後頭部に向けて長く伸びていたが、耳の後ろの方と、頭巾の質感から見て、先の方まで頭が入っているように見えたのだ。
私はもう一度、「わあ」と声を上げてしまった。
普通の人の2倍以上も後頭部が長い人なんて、この世にいるわけがない。

咄嗟のことだったが、私の口から出た言葉は、「いけない。乗り越した」だった。
その「お坊さん」のことを見て驚いたのだと思われたくないからだ。
あの人たちにどのように受け止められたかはわからない。
すぐに私は電車の出口の方に行き、次の駅で一旦電車を降りたからだ。
そこは私の降りる駅ではないので、一車両ほど後ろに走り、後ろの入り口から同じ電車の別の車両に乗り換えた。

「ふう」とため息が出る。
この世には、説明のつかない物、普通でない人が存在するのだ。

ここで覚醒。

25年以上前に、親戚の女子高生から聞いた話を、当事者の立場で夢に観たようです。
その当時は、「長頭人」のことについて誰も知りませんでしたが、今なら情報が沢山ありますね。
ペルーかどこかで、数年前にもミイラが発掘されたと思います。
「今もたくさんの長頭人が生きている」という説がありますが、親戚の女子高生が「あの時はホントにびっくりした」と話す表情には、リアル感が溢れていました。

これは出来事を追体験する夢なので、ドラマ性が薄かったのだろうと思います。