日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

すき焼きに蒲鉾入れますか?

数日前、当家ではすき焼きを食べました。
その時に話題に出ました。

次女が大学で「家ではすき焼きに蒲鉾を入れる」と話したら、周りから「入れないよ~」と言われたとのこと。
「変わってるね」と言われた次女は、「え?どっちが?」と思ったそうな。
親子で「だから関東人は味オンチなんだよ。ちょっと足したり引いたりすると、まるで味が変わるのに」と大盛り上がりになりました。

当家では、最初に野菜と蒲鉾を入れて軽く食べてから、肉・豆腐と入れて行きます。
蒲鉾は笹蒲鉾がベストですが、普通の板に乗ったものでもOKです。
他にも「おでんだね」に近い物を最初に入れることがあるのですが、これが田舎では当たり前でした。

食文化は地域によってかなりの違いがあります。
そこで、少し冷静に振り返ってみました。

私の田舎は岩手県のやや北の方。
昔の盛岡藩の領内ですが、北東側は八戸藩に接しています。
すぐ隣が葛巻町というところですが、ここには町の中に、盛岡藩八戸藩の藩境があります。
この町のお祭に行ったことがありますが、八戸出身の演歌歌手の女性が、「また帰って来ました~」と挨拶しているのを聞いたことがあります。
八戸市は、今は青森県になってますので、少し変な気もしますが、昔は同じ八戸藩同士です。
そこで「帰って来ました」ということになるわけですね。

実家は八戸領に近いこともあり、ごく普通に「蕎麦かっけ」「麦かっけ」を食べて育ちました。
「かっけ」は蕎麦や麦を打ち、四角く切ったものですが、蕎麦を細く切る前の状態で四角く切り揃えた物です。
湯通しして、ニンニク味噌などで食べます。
これは盛岡藩の中央では食べないようなので、八戸の食文化だろうと思います。
なお、「せんべい汁」も八戸の物ですが、こちらは食べたことがありません。

すき焼きに蒲鉾を入れるのは、昔はすき焼きで使う肉が、鶏や豚だったからだろうと思います。
すなわち鍋物のイメージですね。
最初の方で、蒲鉾を入れると、出汁が出て、味が深くなります。
笹蒲鉾なら仙台ですが、この辺は食文化の違いではなく、元が魚屋だった実家だけのことかもしれません。
仙台の人でも、すき焼きに蒲鉾を入れるものなのでしょうか?

田舎の西側は花輪線で大館まで繋がっていますので、やはり秋田の影響もあるようです。
「きりたんぽ」は秋田名物ですが、やはりこれも普通に食べていました。
まあ、鹿角地方は元は盛岡藩なので、おかしな話ではありません。
すき焼きの時も、最後の〆はうどんではなく、きりたんぽになってます。

と、ここまで書いて、私が郷里で食べていた物は「すき焼き」ではなく「牛鍋」だったのだ、と気づきました。
鶏、豚、牛と主役は違いますが、同じ鍋物と解釈すると、脇役のメンバーが似て来るわけです。
なるほどです。