日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

今日の猫  (105)

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木曜には、携帯を替えたり、薬を調剤薬局まで取りに行かねばならなかったのですが、火曜から膵炎が出てしまい、やはり朝からずっと寝込んでいました。
居間の長椅子で居眠りをしていると、昼頃に玄関のドアを「ドン、ドン、ドン」と強く叩く音がしました。
驚いて目覚め、玄関に行ってみたのですが、外には誰もいませんでした。
「おかしいな。夜中の2時3時にドアを叩かれるのには慣れているが、今は昼だし」

たぶん、潜在意識のなせる業です。
テストの時などには、寝ている時に目覚まし時計が鳴ったような気がして起きたのに、実際には鳴っていなかった、てなことがよくありますね。

「膵炎なら少々悪化しても致死率は20%くらいしかない。ゲロ袋とパンツの替えを持参すれば出掛けられるだろ」
そう思って、用事を済ませに行くことにしました。
まあ、今はコンビニが各所にありますので、トイレは概ね大丈夫です。

息子の携帯は○ィルコムですが、会社が吸収されて営業所が減ってしまいました。
そこで、3つ隣の市に行ったのですが、道がよく分かりません。
以前は無かった一方通行が出来ているようで、カーナビの通りではつくことが出来ませんでした。
電車にすれば良かったな。

どうせ下痢だし、すぐに諦め、高麗神社の猫に会って帰ることにしました。
神社に着き、駐車場に車を入れると、遠くの方に猫が見えます。
花見の客が減ったので、金網フェンスからだいぶ前の方に出ていました。
「おい。元気でいたか」
声を掛けると、猫がパッと振り返ります。
すぐに走り寄って来て、私の前まで来ると、後ろを振り向いて「ニャア」とひと声鳴きました。
すると、茶色いのが走り寄って来て傍に来ました。
「おいおい。仲間を呼んだのかいな」

この時の猫のしぐさを見ていると、まるで2匹で申し合わせたような振る舞い方です。
元々、妄想癖のある私の頭には、猫たちの会話の内容が響きました。
「ねえねえ。このお客さんだよ。覚えといて」
しかし、茶色のブチの方は警戒して、距離を置いてこっちを見ています。
いつもの猫と違い、こっちは野良なのか、警戒心が強いようです。
「大丈夫だよ。このお客、食べ物をくれるからさ」

トレイに猫缶をあけると、いつもの方が悠然と食べ始めました。
ブチは自分も食べたいのですが、私のことが怖くて近づけません。
「見た目は乱暴そうなオヤジだけど、大丈夫だよ」
いつものヤツは皿から顔を離し、私の方に寄って来ました。
その間に、ブチが皿に近づき、大慌てで食べ始めました。

ここからがスゴイところ。
いつものヤツは、2本足で立ちあがって、お礼をするようにお辞儀をしました。
ちなみに、以前、妻がこの姿を実際に目撃して、「まるで前は人間だったみたい」と言っていました。
しかしまあ、飼い猫なので、家の人が教えたのでしょう。

次にコイツは、私の足元まで来て、上を見上げます。
「もう少しくれない?」
他の猫に食べさせているので、自分の分が足りないのです。
「この絶対的な自信はどこから来るんだろうか」と思いつつ、猫缶をもう1つ開けて食べさせました。
結局はコイツの思惑通りに動いています。

そう言えば、昨夜、妻が言ってたっけ。
「あの猫と私と、どっちの方を愛しているの?」
(出ました。女性特有の理不尽な質問!)
頭の中の答はひとつです。
「世の中のオバさんたちに、家のワンちゃんとダンナのどっちを愛しているかと訊けば、答えは分かり切っているだろ」
間違いなくワンちゃんだよな。

そこで、妻に対する返事は、「オレの人生の中で出会った女性の中で1番がお前で、あの猫は2番目に愛している。当たり前だろ」。
こんなバカなセリフを、まるで本心のように言えるようになるのには年季が要ります。
まあ、「悪女の法則」の通り、その時その時本心からそう思えばウソには聞こえません。
場面が替わったら、その時はその時なんで(苦笑)。
冷静に考えると、猫と人間を並べているというところで、「おかしい」と気づく筈ですが、人は最初の「あんたが最高」の表現を心から言われると、そのまま受け取ってしまいます。
でも、もちろん、妻を最高に愛しているのには間違いなく、大切にしていますよ。
理不尽なことを訊かれなきゃ、問題はありません。

食事を終えると、いつもの猫は背中を向けてじっとしています。
この瞬間からは、世の「若い愛人」の態度にそっくり。
することをして、お小遣いを置いたら、今日はこれでおしまい。
「もう帰って。どうせいつかは奥さんの所に戻るんだから」

写真を見ると、いつものと茶色の2匹は、仲良く同じ皿に顔を突っ込んで食べている場面もありました。
なんとなく「姉妹じゃないか」という気がします。
普通は餌を食べる時には、野良猫は争って食べるのに、一緒でも平気なだけでなく、相手に譲っていたりします。

帰りしなに、いつものヤツにひと言。
「もしかして、昼に玄関のドアをノックしたのはお前なの?」
猫は化けるって言うが、「お土産持って、こっちに来て」という念を飛ばしていたりして。