◎夢の話 第394夜 生命の砂
サッカー女子英独戦を見るために、夜中からずっと起きていたのに、開始直後に寝入っていました。これはその時に観た夢です。
オレたちの探検隊は「生命の砂」を探すために、密林の中に分け入った。
「生命の砂」はそれに触るだけで、みるみる生命力がアップすると言う伝説の砂だ。
俺の妻は難病に悩まされている。その妻を救うために、オレは探検隊に参加したのだった。
メンバーは十二人。大河を船で上って行き、途中から陸に上がる。藪を切り開きながら前に進むと、頂上の尖ったかたちの山が見えて来た。
「伝説では、あの山の回りのどこかに、金色の岩がある筈だ」
その岩の周囲にこぼれている砂が「生命の砂」だと言う。
岩は簡単に見つかった。
動物たちが一方向に進んで行くのを発見し、その後をつけたら、すぐに大岩が現れたのだった。
動物たちはその岩や下の砂を少し舐め、じっとその場に座り込む。しばらくすると、元気を回復して、それぞれどこかに消えて行った。
探検隊の隊長が皆に命じた。
「よし。この岩の根元の砂を持ち帰って、成分を研究すれば、万能薬を開発できる」
もちろん、隊員のほとんどが家族に重病人がいるから参加したわけだから、1人ずつ少しずつの分け前も貰える。
良かった。これで妻を救える。
ところが、この先はお決まりの展開だった。
隊員の1人が「岩を爆破しよう」と言い出したのだ。
「この砂は上の岩と同じ色だ。すなわちこれは岩が砕けたものだ。これを破砕して持ち帰れば、俺たちは億万長者になれる」
もちろん、隊長は許さない。
「まだこの砂が本物かどうかも分からない。ただのミネラルだとか、栄養があるだけかもしれんのだ。それを破壊するなど、もっての外だろ」
まるでハリウッド映画の筋だ。
しかし、欲望はすぐに増殖する。
爆破を言い出した男の回りには、すぐに賛同者が集まった。
「そんなことを許すわけにはいかんのだ」
そう言う隊長のことを、あろうことか、そいつらは銃で撃った。
「こりゃ不味い」
オレはその隊長を抱き起して、その場から逃れた。
オレは灌木を切って、仮の担架を作り、それに隊長を乗せて船に運んだ。ところが船には、反乱者たちが先に来ていた。
ダイナマイトを取りに来たのだ。
船の船長らは、反乱者たちに言いくるめられて、既に仲間になっていた。
オレたちの方は、オレと、もう1人の若い隊員と、傷ついた隊長だけだ。
「あいつらが岩に戻った隙に、船を奪うしかない」
反乱者たちが去った後、頃合いを見て、オレともう1人は船に向かった。
ごく普通に船に上がり、船長に告げる。
「忘れ物をしたから取りに来た」
ところが、相手にもオレたちの情報が伝わっていた。
船長はオレたちに銃を向けた。
すかさずオレの相棒が飛びかかったが、すぐさま銃で撃たれてしまった。
だが、オレの方も同時に船長に突進しており、オレは木の棒で船長を殴りつけ、昏倒させた。
「ドオン」という爆発音が聞こえる。
反乱者たちが岩を爆破したのだ。
「ゴゴゴゴ」という地鳴りが続く。
やはり悪いことは考えるものではない。
大岩を爆破したら、山の斜面が崩れ落ち、大規模な地崩れが起きた。
岩を爆破した奴らは、悉くその土砂の下に埋もれてしまった。
この土石流はオレたちが居る船まで押し寄せた。
なんとか沈まずには済んだが、船の横腹に穴が開いて、この修理には数日かかる。
「それでは、この2人が死んでしまう」
オレの傍らには、隊長と若い隊員が横たわっている。
落胆したオレは、船のへりに座り、河の流れを呆然と眺めた。
「ありゃ」
水の中をキラキラと光るものが流れている。
「これは・・・」
あの「生命の砂」だった。
「生命の砂」の源は、あの大岩だけでなく、山全体だったのだ。
オレはすぐに河に飛び込んだ。
河の底から、砂をひと掬い掴み、浮き上がる。
それから、船に行き、2人の体になすりつけた。
1時間後、ほとんど同時に2人が目を開いた。
オレはその時、疲労のため眠り込んでいたが、2人に揺すり起こされた。
「おい。どうなってる?いったい何があったんだ」
「生命の砂」は本物だった。
オレは「これで妻を救える」ことを確信し、2人に向かって笑い掛けた。
ここで覚醒。
目が醒めたら、イングランドがPKで1点入れたところでした。
やはり今はついついWCを観てしまいます。明日の決勝だって、夜中から寝ずに待っていそう。