日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

集団的自衛権と戦闘参加

 郷里の母が言うには「アベ・シンゾーは嘘つきだ」ということです。
 母によると、「沼の中に入って行こうとしているのに、アベ総理は『前と何ら変わらない』と言う。戦争に加担できる状態にすることは、すなわち『する』ということを意味するのだよ」とのこと。
 そりゃそうだ。前と変わらないなら、解釈を替える必要はないわけです。

 アベ氏は何とか目くらましをするために、レバ・タラを積み上げたり、心情を述べたりしています。
 1)朝鮮半島で戦争が起きたとして、
 2)在留邦人の救出が必要になったとして
  3)そのためにアメリカ海軍が出動したとして、
 4)その艦隊が攻撃されたとして、
  その時は自衛隊が後方支援する。
 とりあえず、「レバ」は4回。
 「動物園が洪水に遭って、猛獣が逃げたら」と変わらないくらいの条件付きです。(猛獣が逃げた事件は本当に起きてますが。)
 当方は平和主義者ではないので、邦人の救出のために米国艦隊に出て貰った時を想定するより、「自衛隊が直接、救出に行けよな」と思います。
 
 ところで、母の父、すなわち母方の祖父は田舎の大きな農家の後継ぎでした。
 前の戦争の時にはニューギニアに行ってます。
 その祖父が言うには、「戦争で生き残れるヤツは、頭が良くて、かつ後ろに方にいるヤツだ」とのこと。
 一兵卒で前の方にいる兵隊は最初に敵の銃弾に当たる。
 敵の弾道を考えられないヤツはまともに銃弾に当たる。
 どんな状況でも、兵隊が前進するのは、後ろで下士官が見ているから。
 「敵前逃亡」と「不服従」は、下士官に「その場で銃殺」されるので、誰でも前に進みます。よって前の方からやられる。
 
 祖父がいた島は、守備隊がほぼ3万人いたのですが、終戦時に生きていたのは2千人です。それから復員するまでの半年の間に「半数が死んだ」との話です。
 祖父の目前でも、同じ村の知り合いが撃たれて死んだそう。
 また、敵軍に島を征服されようとした時、早速あきらめて降伏しようとした兵隊は、そのまま銃殺されたそうです。オーストラリア軍や米軍も、戦闘時には気が立っており、こちらが手を挙げても収まらない。
 祖父ともう1人は、海の中の海藻が生い茂った所に身を隠し、4日の間海水の中にいたとのこと。ついに体力が尽き、浜辺に上がって倒れている所を敵軍に掴まり捕虜になったのです。

 「国を守る」ことを主張するなら、正面から憲法9条の改正を求めるべきですよ。日本人の救出活動なら、米軍でなく自衛隊が自ら行けよな。
 アベ・シンゾー氏の言いぐさは、「若い姉ちゃんを口先でだまくらかして、ラブホテルに連れ込もうとする」エロオヤジに似ています。
 「あなたが嫌ならオレは何もしない」
 「ただ横になって休むだけ」
 「ベッドの方がゆっくり寝られる」
 これでその気になって部屋の扉を閉めたら、もちろん、豹変します。
 これと同じ言い方だと思いますね。

 交戦状態になっても、絶対にアベ氏は戦場に行かない。
  与党の代議士も戦場には行かない。
 中央官庁の役人も、徴兵制が施行されてからかなり後の方。
 いずれも、戦場には行かないヤツの話です。
  すなわち「後ろにいるヤツ」で、祖父の言った「死なずに済む人」です。
死ぬのは、一般人の息子たちです。
 
 せめてウソを吐かず、正直に言え! 
 その実は「アメリカの手下として、世界中で戦争に参加します」でしょ。
 これが母の言う「沼」で、当方の言う「ラブホテル」です。
 中に入ったらどうなるかは、自明の理。
 この場合、「自ら覚悟して入る」のと、「口先に騙されて入る」のはまったく意味が違います。

 まあ、「集団的自衛権」の定義にこだわるあまり、「自衛」本来の何たるかを忘れてます。頭の良い役人が考えた「机上の答弁」をそのまま使ってら。