日刊早坂ノボル新聞

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夢の話 第396夜 「ミュー」が逃げた

◎夢の話 第396夜 「ミュー」が逃げた

 朝方になりようやく少し寝られたのですが、その時に観た夢です。

 携帯がぶるぶると震えた。
 電話を掛けて来たのは、オレの同僚だ。
 「あれが逃げたぞ」
 あれって、もしや・・・。
 「ミューが一匹逃げたんだよ」

 「ミュー」とは実験用に開発された新生物だ。
 免疫能力が高く、どんなウイルスが侵入してもすぐに抗体を作ってしまう。
 そこで、その抗体を培養すれば、抗ウイルス薬が簡単に出来る。
 外見はツルツルのオランウータンだが、身長が3旦瓩ある。
 ひと言で言えば「気持ち悪い」代物だ。

 だが大切な生物だ。
 生きたお宝と言ってよい。
 なぜなら、1体を開発するのに百億円くらいかかったからだ。
 今はこれが3頭に増えており、徐々に人類の延命に寄与するようになっている。
 もちろん、今のところは少数の金持ちのための存在だ。
 俺たちはそのミューを研究する施設の職員だった。

 そのミューが逃げたと言う。
 オレはとる物もとりあえず、現場に向かった。
 場所は公園だった。
 「何でまた公園なんかに連れて来たんだよ」
 「こいつは4歳くらいの子どもくらいの知能はある。施設の中ばかりに居ては、おかしくなってしまうだろ」
 「そのことで、逆に開放的な気分になり、逃げたのだな」
 「そうだ」
 「じゃあ、まだ遠くには行っていない。と言うか行けてはいない」
 「ひとまず公園の中を探そう」

 俺たちは公園の出入り口を閉鎖して、端から順に見て回った。
 半分ほど回ると、道の向こうから声を掛けられた。
 「あら。あなた」
 オレの妻だった。
 「何でこんなところにいる」
 「赤ちゃんに良い空気を吸わせてあげようと思って」
 オレには5カ月の赤ん坊がいた。

 「いたぞ」
 同僚が叫んだ。
 わずか20胆茲涙?擇慮?海Δ法▲潺紂治街罎いた。
 そいつは灌木の後ろから姿を現すと、立ち上がった。
 「でっかい」
 いつもこいつは座っているので、立ち姿には見慣れていなかった。
 この声を出したのは拙かった。
 ミューはこっちを向くと、すぐさま駆け寄って来た。
 何せ3辰凌板垢如■隠横悪舛らいの体重があるから、迫力はもの凄い。

 3号は俺たちに駆け寄ると、あろうことか、妻から娘を奪い取って、抱き抱えた。
 「こりゃいかん」
 何せ4歳くらいの知能だ。赤ん坊が命のある存在だということが分からない。
 おそらく玩具か何かのように考えていることだろう。

 案の定、ミュー3号は赤ん坊を振り回し始めた。
 「いかんな。放り捨てられたら、娘は死んでしまう」
 オレは3号を刺激しないように、ゆっくりと近寄った。
 3号はオレのことを記憶しており、オレが近寄っても別段何もしなかった。
 オレは3号の真下に近づくと、警棒の先を顎の下から突き入れた。
 先がとがった警棒は、3号の顎を貫通して、脳天に抜けた。
 3号がゆっくりと崩れ落ちる。

 オレは3号が倒れる前に、赤ん坊を抱きとっていた。
 「ああ、危なかった」
 すぐに同僚が駆け寄って来る。
 「百億円がパアになっちゃったな」
 オレはここで同僚に苦笑いを返した。

 「他の子なら、黙って見てるが、この子はオレの子だもの。百億円の新生物だろうが、こっちのほうが大切だろ」
 あとが大変だが、誰でもきっとこうするだろ。

 ここで覚醒。

 人類愛と自己愛は、理屈がまったく違う、という内容のようです。
平和共存は大切だけど、オレのほうがもっと大切。
 「国民の理解は進んでいないことは承知しているが、採決します」に影響を受けた感じです。