日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第481夜 爆弾

◎夢の話 第481夜 爆弾
 夕食後、仮眠を取った時に観た夢です。

 どこか知らない広場の中央にいる。
 オレは白いテーブルを前にして、椅子に座っていた。
 同じテーブルには二人の男女が座っている。
 周りには二百人くらいの人が行き来していた。
 「ここは遊園地の中みたいだな」
 子どもたちが小さい頃によく連れて来たっけな。
 日差しが明るく、温かい。
 ぼおっとして眠くなって来る。

 すると、唐突に広場中に届くような大きな声が響いた。
 「助けて。誰か助けて」
 人々が一斉に声のした方を向く。
 すると、ひとりの女性が人のいる方に近付いて来ていた。
 「眼が醒めたら、こんなのをつけられてたの。誰か助けて」
 女性の胴体には何か重そうな荷物が括り付けられていた。
 その女性がテーブルのひとつに寄る。そこには数人の男女が座っていた。
 「うわ。爆弾だ」
 椅子に座って人たちが急に立ち上がって、女性から離れる。
 「え?何なに?」
 女性が狼狽えて、自分から離れた人たちの後を追おうとする。
 「きゃあ。来ないで来ないで」
 若い女の子がその女性から遠ざかろうと走り出す。
 その様子を見た周りの人も我勝ちに女性から遠ざかった。

 中年の男が女性に近付きながら声を掛ける。
 「まずは落ち着いて。どうなっているのか見せてごらん」
 そう言うと、男は後ろを振り返り、オレたちにも話し掛けて来た。
 「誰か警察に電話して下さい。もし爆弾なら専門の人を呼ばないと」
 男が女性の胸の荷物を覗き込んだ。
 すぐに男が仰け反る。
 「おい。タイマーの数字が残り一分しかないぞ」
 男はすぐに立ち上がると、女性の許を離れる。

 女性は再び動揺し、男の後を追い始めた。
 「逃げないで。どうかお願い。私を助けて」
 女性が走り出す。
 「きゃあ」と子どもたちが叫んで散って行くが、女性はそっちの方に向かう。
 母子がいたが小さい子の足が遅いので、爆弾を抱えた女性が追い付く。
 「待って。待って。私のことを助けて」
 誰彼かまわずしがみつこうとする。
 女性は母親から子どもたちを引きはがし、両手に捕まえた。

 「こりゃ不味い。完全にパニックになってら」
 当たり前だ。たぶん、遊園地に来て何か飲み物でも飲んだんだろ。
 そしたら眠くなって、眼が醒めたら、体に爆弾を括り付けられている。
 あの女性が直面しているのはそんな状況だ。
 だが、もしあれが本物の爆弾なら、周りの人たちまで巻き込まれてしまう。

 オレは腹を括って、その女性の方に駆け寄った。
 「ねえ。落ち着いて、その子たちを放してくれる?オレが助けてやるから。放さないと、邪魔になって助けられないよ」
 女性はオレの方を向くと、すぐに捕まえていた子ども二人を放す。
 オレがタイマーを覗き込むと、数字はあと二十五秒しかなかった。
 「とにかく落ち着いて。大丈夫だから」
 女性を椅子に座らせ、肩に手を置く。
 「ごめんね。ちょっと痛いよ」
 声を掛けると同時に、オレはその女性の頭をぶん殴った。
 女性がごろんと地面に転がる。

 オレは一目散にその場から走り去る。
 三十辰らい遠ざかると、オレの後ろででっかい爆発音が響いた。
 その爆風でオレは道に叩きつけられた。
 「イテテテ」
 起き上がって後ろをみると、女性がいた周囲二十辰惑枻で皆吹き飛んでいた。
 テーブルや椅子が無くなり、丸い輪のように空き地が出来ている。
 あの女性は跡形もなくなっていた。

 「あの爆弾は本物だったんだな」
 女性が可哀そうだが、とりあえず周りの人を巻き込まずに済んだ。
 遠巻きにしていた人々がまた集まって来る。
 その中から男が歩み出て来る。
 「真由美。真由美!」
 どうやら、あの女性の連れらしい。
 男は爆心地をうろついた後にオレのところに歩み寄った。

 「真由美をどうして死なせた。この人殺し」
 おいおい。そりゃ違うだろって。
 大体、お前は今までどこにいたわけ?

 ここで覚醒。
 この先の展開が読めるので、ここで自ら眼を醒ましました。
 これも悪夢のひとつですが、この後、ドロドロ系の話に進んで行きそうだったので、少しずつ従前のかたちに近付いているのかもしれません。
 まあ、記憶を整理する夢よりも、ドラマ性のある内容の方が助かります。