「それぞれの四季」 早坂ノボル
岩手県の葛巻町と大船渡市が舞台となります。
四話のショートショートで構成する短編です。
「秋(2003)」: 向河原哲男は次女の由香を四年前に病気で亡くし、今は妻と長女の三人で暮らしている。次女が亡くなったのと同じ祭りの日に、長女の美奈が下宿先から戻って来る。三人は今は亡きひとりのことを想い、悲嘆に暮れる。
「夏(2005)」: 哲男が意識を失っている時に、由香の幻(妄想)が現れる。少女に成長した姿の娘は「お姉ちゃんのことも見てあげて」と懇願する。
哲男は心臓病になり救急車で運ばれるが、その病院に向かおうとした妻の綾乃が交通事故に遭う。
「春(2011)」:浦野菊江はひとり暮らし。亡き夫と孫の由香の写真を飾り、今は猫の寅と暮らしている。地震が起きた時、菊江は高台に逃げようとするが、猫がまだ家に残っていた。
菊江が猫を連れ帰るために家に戻ると、そこにあの津波が来た。菊江は夫の建てた家と、天井裏に隠れていた猫によって救われる。
「冬(2014)」:哲男は長女の結婚式の式場に居る。持病のため、哲男が意識を失うと、花嫁姿の由香が現れる。由香はそれまで哲夫がまったく想像していなかったことを告げた。
人が生きて行くのに避けられないのは出会いと別れです。
ここでは、「別れ」をどう受け止めるか、がテーマになります。
近日中に、県内のいずれかの媒体で公開します。
追って、書籍にもまとめますので、しばらくお待ちください。