日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第409夜 環状線

火曜の朝4時頃の夢です。

どこか私鉄の駅に居る。
地方の小さな駅で改札を入るとすぐにホームだ。
「オレはこれからどこに行こうとしているのだろ」
まったく思い出せない。

すぐに電車が来る。
「たぶんこれに乗るんだな」
その電車に乗る。
電車が発車する時に、「〇ノ原」という駅名が見えた。

確か乗り換えが結構あったはずだな。
3回か4回乗り換え、いずれも東に向かう。
これは環状線だから、最後の駅で逆方向に乗り換えないと、元に戻ってしまう。
おぼろげながら、そんな記憶が甦った。

3回乗り換えると、最後の駅には「クマド山行き」の電車が停まっていた。
「ああ、これだ。これだ」
その電車に乗ろうとすると、駅員に止められる。
「まだ清掃中ですよ」
それじゃ、仕方ない。
周りを見回すが、ベンチが見当たらない。
向かい側にも電車が停まっていたので、それに乗り、椅子に座った。

腰を下ろすと、椅子の下からふわっと暖かい風が吹いて来る。
「今日はかなり涼しいから暖房は有難いな」
外は寒いくらいだもの。
腕組みをして、もの思いにふける。

ハッと気づくと、電車がちょうど停車するところだった。
「ありゃ」
イケネ。オレはどうやら、「クマド山行き」に乗る前に、寝入ってしまったらしい。
停まった駅の駅名掲示を見ると、「〇ノ原」と書いてある。
「ありゃま。一周しちゃったじゃん」
でも、さっきは3回乗り換えたよな。
居眠りを始めてからは、そのまま乗ってる筈なのに、どうやって元の駅に戻ったのだろ。
ううむ。

ま、寝ぼけて居た時のことをあれこれ考えても仕方ない。
そのまま、また最初からやり直す。
3回乗り換えて、ホームに降り立つ。
向かい側には「クマド山行き」が停まっていた。
「今度こそこれに乗らなきゃ」
今度は座って待つのをやめとこう。
「缶コーヒーでも買おうか」
少し離れたところに自動販売機があった。
30辰曚品發、自動販売機にお金を入れる。

ジリジリ。
唐突に発車のシグナルが鳴る。
その音は普通よりだいぶ短く、すぐに終わった。
「おいおい。オレも乗せてくれ」
慌てて、電車に飛び乗る。
ごとごとと電車が動き出した。

「ふう。今度はなんとか間に合ったな」
周囲を見回す。
ありゃ。この電車には誰も乗っていないぞ。
「もしかして、乗り間違えたのか」
そう言えば、さっき環状線を一周した時も、いくつかの駅に降り立った時も、周りに人がいなかった。
なんとなく、人の気配はしていたのだが、まったく目にしていない。

「ここは一体どこなんだろうな」
そして、オレは誰で、今からどこに行こうとしてるんだろ。

ここで不意に「クマド山」のことを思い出した。
「クマド山」は「熊野山」で、郷里の実家の近くにある。
子どもの頃は「クマノサン」が言い難いので、「クマドサン」と呼んでいたのだ。
そして、その山の向かい側には、オレの家の墓がある。
「もしかして、オレは」
その墓に向かおうとしているんじゃあ?

「このオレは果たして、まだ生きているんだろうか」
もはや、魂だけの存在になって、彷徨っているんじゃあ・・・?
途端に自信が無くなって来る。

ここで覚醒。