火曜の朝4時頃の夢です。
どこか私鉄の駅に居る。
地方の小さな駅で改札を入るとすぐにホームだ。
「オレはこれからどこに行こうとしているのだろ」
まったく思い出せない。
すぐに電車が来る。
「たぶんこれに乗るんだな」
その電車に乗る。
電車が発車する時に、「〇ノ原」という駅名が見えた。
確か乗り換えが結構あったはずだな。
3回か4回乗り換え、いずれも東に向かう。
これは環状線だから、最後の駅で逆方向に乗り換えないと、元に戻ってしまう。
おぼろげながら、そんな記憶が甦った。
3回乗り換えると、最後の駅には「クマド山行き」の電車が停まっていた。
「ああ、これだ。これだ」
その電車に乗ろうとすると、駅員に止められる。
「まだ清掃中ですよ」
それじゃ、仕方ない。
周りを見回すが、ベンチが見当たらない。
向かい側にも電車が停まっていたので、それに乗り、椅子に座った。
腰を下ろすと、椅子の下からふわっと暖かい風が吹いて来る。
「今日はかなり涼しいから暖房は有難いな」
外は寒いくらいだもの。
腕組みをして、もの思いにふける。
ハッと気づくと、電車がちょうど停車するところだった。
「ありゃ」
イケネ。オレはどうやら、「クマド山行き」に乗る前に、寝入ってしまったらしい。
停まった駅の駅名掲示を見ると、「〇ノ原」と書いてある。
「ありゃま。一周しちゃったじゃん」
でも、さっきは3回乗り換えたよな。
居眠りを始めてからは、そのまま乗ってる筈なのに、どうやって元の駅に戻ったのだろ。
ううむ。
ま、寝ぼけて居た時のことをあれこれ考えても仕方ない。
そのまま、また最初からやり直す。
3回乗り換えて、ホームに降り立つ。
向かい側には「クマド山行き」が停まっていた。
「今度こそこれに乗らなきゃ」
今度は座って待つのをやめとこう。
「缶コーヒーでも買おうか」
少し離れたところに自動販売機があった。
30辰曚品發、自動販売機にお金を入れる。
ジリジリ。
唐突に発車のシグナルが鳴る。
その音は普通よりだいぶ短く、すぐに終わった。
「おいおい。オレも乗せてくれ」
慌てて、電車に飛び乗る。
ごとごとと電車が動き出した。
「ふう。今度はなんとか間に合ったな」
周囲を見回す。
ありゃ。この電車には誰も乗っていないぞ。
「もしかして、乗り間違えたのか」
そう言えば、さっき環状線を一周した時も、いくつかの駅に降り立った時も、周りに人がいなかった。
なんとなく、人の気配はしていたのだが、まったく目にしていない。
「ここは一体どこなんだろうな」
そして、オレは誰で、今からどこに行こうとしてるんだろ。
ここで不意に「クマド山」のことを思い出した。
「クマド山」は「熊野山」で、郷里の実家の近くにある。
子どもの頃は「クマノサン」が言い難いので、「クマドサン」と呼んでいたのだ。
そして、その山の向かい側には、オレの家の墓がある。
「もしかして、オレは」
その墓に向かおうとしているんじゃあ?
「このオレは果たして、まだ生きているんだろうか」
もはや、魂だけの存在になって、彷徨っているんじゃあ・・・?
途端に自信が無くなって来る。
ここで覚醒。