日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

扉を叩く音 (続)  ほんとうの恐怖

秋の終わりから冬にかけて、深夜1時から2時半の間に、玄関の扉を叩く音がする。
この話の続きです。

6月27日午前2時ごろ。
就寝中に声が聞こえ、驚いて目が覚めました。
「助けて」「助けて」
こういう場合、映画やドラマでは、小さくてかすかな声なのですが、現実に聞こえる声ははるかに大きな声です。
驚いて、飛び起きるくらいの大声になっています。

起き上がって時計を見ると、いつもの時刻でした。
耳を済ませますが、別段、異常が起きた気配はありません。
ここで、はたと気付きます。

これまで、決まった季節、決まった時刻に、1度か2度だけ扉をべたんべたんと叩く者がいると思いなして来たわけですが、根本的に違っているのかもしれません。

もしかして、「いつも叩いている」のでは。
この日のように、いつも「助けて」「助けて」と叫び続けているのでは。

もしそうであれば、本当に恐ろしい話です。
この場合は、扉を叩くその当人の立場に立ってみれば、という意味です。

たぶん、こんな状況です。
すでに自分は死んでいるが、そのことを知らない。
周りには誰一人としていない。
 (「死後の闇」の段階を過ぎているので、おそらく死んでから十数年は経過している。)
建物などの景色を観ることは出来る。
 (物理的な存在ではないので、心象世界の中の風景ではある。)
誰か人がいるような気配を感じる。声が聞こえたり、物音や振動を知覚できる。
その人の近くに行き、扉を叩き、「助けて」と叫ぶが、相手はまったく気付いてくれない。
自分にはその相手が分かるが、相手には自分の存在が分からない。
そこで、ひたすら扉を叩き、叫び続ける。
「助けて」
「助けて」

もし、その立場になってみたら、と思うとそら恐ろしいです。
実際に、色んな時と場所で「助けて」という声が聞こえます。