日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

「生活保護でパチンコおかしい」 その2

学生時代に北海道へ貧乏旅行に行ったことがあります。
駅の前とか公園が寝場所で、夜を寝袋で過ごしました。
もちろん、時々は安い温泉旅館に泊まったりもします。
(安くて、空いている所はアレが出るので困ったりしました。アレとはもちろん、幽霊のことです。)

ところが、稚内でどうしても美味いものが食べたくなり、料理屋でウニとカニ、アワビを食べたら、手持ちの金が乏しくなってしまったのです。
ここは後先考えずに食べてしまうくらい、美味しいのです。
(この地方を旅する方にはお勧めです。あれまあ、ビックリですよ。)

函館まで戻って来た時には、財布の中が2百円。
土曜日の午後なので、銀行が開くまで丸1日半ありました。
「パンと牛乳を買っても1食しかもたないよな」
家に電話をして、少し金を振り込んでもらうにせよ、月曜の話です。
丸1日を水だけで過ごし、中央公園でごろ寝です。

すると目の前にパチンコ屋があります。
「どうせパンと牛乳だけなら、大して変わりない。勝負してみよう」
しくじるとパンすら食えなくなってしまいますが、空腹の程度が少し違うだけです。
そう考えて、店に入りました。

その一角に手打ち台が5台置いてあったので、そこに座りました。
自動機では、一瞬で終わってしまう可能性がありますね。だからせめて手打ちです。
1球1球、丁寧にゆっくりと打っているうちにコツがつかめて来て、夜までかかりましたが、大箱を何箱か出しました。
確か換金すると2万円くらいだったので、それで青函連絡船に乗り帰って来ました。
(「連絡船」てのが時代色アリアリですねえ。)

途中、八戸の駅で「ハラコ飯」弁当を買ったのですが、これが最高に美味しかったので、今でも青森に行く途中では必ずこれを食べます。

私の場合は、食いすぎが原因だったので自分の不始末ですが、中高年の生活困窮者はそうではないです。
リストラされたり、病気だったりもするでしょう。
私の経験よりもはるかに深刻です。
金ではなく仕事をくれれば、本人にとってははるかに有難い。
問題の根源は「金の遣い方」ではないのです。

本人はけして「遊んでいる」わけではない。
他に方法がないからそうしているので、これを禁止したら、事実上、「パンと水をめぐんでやるから、それで我慢してろ」ということです。
「何も食わずに空腹でいる自由」くらいはあってよいと思いますね。