日刊早坂ノボル新聞

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夢の話 第531夜 誰かが見ている

夢の話 第531夜 誰かが見ている
17日の午後3時の午睡中に観た夢です。

道を歩いている。
既に夜で、通りは真っ暗だ。
家々の灯りは全部消えている。
街灯が少ないし、車も通らないから、見通しが利かない。
ガードレールを頼りに、先に進んでいるあり様だ。
犬猫の声さえ聞こえず、しんとしている。

ところが何故か気持ちが落ち着かない。
誰かに見られているような気がするのだ。
「誰かオレの後を尾けているのか」
振り返るが、それらしき人影はない。
おかしいな。何だろ。
そのまま歩き続ける。

遠くの方に明かりが見えてきた。
ようやく繁華街に近付いたのだ。
「ああ良かった。電車が動いていればいいけどな」
たぶん、今は3時か4時ごろで、始発まではもう少しだろ。

ところが、やはり誰かの視線を感じた。
こういう時のオレの勘は外れたことが無い。
オレの取り得は直感力で、こいつのおかげで強盗事件に遭わずに済んだことがある。
「一体、誰が見てるんだろ」
足を止めて、周りを見渡す。
前後左右、ゆっくりと眺め渡すのだが、人の気配はない。
「おかしいな。こりゃどういうことだよ」

ここで、ようやく気が付く。
「前後左右にいないとしても、あともう一方向残ってるよな」
すなわち「上」だ。
そこでオレは突然、走り出した。
全速力で走り、急に止まる。こうすれば、相手はオレの動きについていく方に気をとられるからだ。
そして、オレはいきなり上を見上げた。

すると、オレの頭のすぐ上に女の顔があった。
女は宙に浮いて、オレに付きまとっていたのだ。
手が届くような位置で見ていれば、誰でもその気配には気付く。
「こいつが何者か」などと考えるより前に、オレは反射的に女の顔を殴った。
「がしん」と重い感触があり、女が地面に落ちる。

オレはいつも、咄嗟の時に体が縮こまって動けなくなることが無いように、サンドバックでこの練習をしている。日頃の練習が利き過ぎて、電車の中でよろけたオヤジがぶつかって来た時にも、つい反射的に殴ってしまったことがあるくらいだ。

「コイツは殴れる。ということは、怨霊悪霊の類じゃないよな」
女が起き上がろうとするので、こめかみのところを爪先で蹴る。
長い髪に黒い服。いかにも魔女顔だ。
でも、空中を飛んで人を付け狙うヤツにしては、いかにも弱過ぎる。

「おい。お前は一体何者なの」
女は答えず、地面の上でぐねぐねとのたくっている。

ここで覚醒。