◎酒粕
「鷲の尾」は旧西根町の酒屋が造る酒です。
画像の酒粕は1キロ300円と極めて安価になっています。
岩手山の古名が「岩鷲山(がんじゅさん)」で、社名はそこから取ったのだろうと思います(推測です)。
近所なので、地元では割とポピュラーな酒ですが、今は盛岡の造り酒屋の下請けもやっている模様。
上の叔父が死んだ時、葬式の後で叔父の家に行ったら、家に入れないくらい弔問客が来ていました。
「東京から戻ったヤツ」ということで、入れ替わり立ち代り私の前に人が訪れては、目の前で自分のコップの酒を飲み干します。
次に、その空になったコップを私に差し出すのです。
そうなると、絶対にそれを受け取り、酒を注いでもらって飲み干さねばなりません。それが田舎の流儀です。
もちろん、一気飲み。
私は十六人くらいまで対応しましたが、それ以降は記憶がありません。
たぶん、一升半くらいを一気飲みしたと思いますが、叔父の家の台所の床で寝てしまい、気が付いたら、翌日の夕方でした。
その時に飲んだのが、この「鷲の尾」です。
叔父の通夜葬式では、例によって「あの人がどんなに酷い人だったか」の話ばかりでした。
しかし、どうしても嫌いになれないのです。
どの人の話のオチも必ずそれでした。
叔父の話も早いとこ物語にしないと、私の方がヤバくなって来ました。
そう言えば、もはや叔父が亡くなった年齢に到達しています。