日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第533夜 ここはどこ?

◎夢の話 第533夜 ここはどこ?
 30日午前2時40分に観た夢です。

 目を開くと、自分はどこか知らない街角に立っている。
 「ここはどこ?オレは誰だよ」
 普通は数分で、「我に返る」ものだが、この時は違った。
 自分の名前すら思い出せない。
 「参ったな」
 なぜここに居て、何をしようとしていたのか。
 「昨日の夜に飲み過ぎて、頭が麻痺しているのか」
 確か学生仲間でコンパ(懐かしい響きだ)があり、夕方から深夜まで酒を飲んだんだっけな。

 じっとしていても仕方が無いので、少し歩いてみることにした。
 200辰曚品發と、駅があった。
 「中野村山」
 聞いたことがない駅だ。
 ここで薄らぼんやりと思い出す。
 オレはこの路線と並行して走っている別の路線に乗り換えようとしているのではなかったか。電車を乗り継ぐと遠回りだから、バスで向こうの路線の最寄り駅に行く方が早い。
 それで、バス停を探していたような気がする。
 「なら、もう一度戻る手だ」
 さっきのところに戻ると、すぐ先にバス停があった。

 「しかし、バスに乗り、路線を換えたところで、そこからどうするのかが分からない」
 困ったもんだ。
 それでも、予定通りに動いていれば、何か思い出すかもしれないから、バスに乗ることにした。
 バスはすぐに出発したが、街を出て、郊外に向かって行く。
 山裾の田舎道をトコトコと進むと、20分ほどで、別の駅に着いた。
 「前の路線と並行して走っている割には随分田舎だよな」
 駅前には、タクシー乗り場と銀行のCD機があるだけだ。
 タクシー乗り場には、一台だけ停まっており、運転手が客待ち顔で出入り口を見ている。

 気が付いたら、かなり腹が減っていた。
 「そう言えば、駅に着く手前に中華屋があったよな」
 とりあえず何か食ってから考えるか。
 財布を見ると、金が千円しか入っていない。
 そこで、CD機で現金を下ろすことにした。
 間近に寄ってみると、六角形のかたちをしたCD機コーナーに五台の機械が置かれていた。CD機はかなり古くて、手作りのパソコンみたいに配線がむき出しだった。
 「こんなんで動くのか」
 しかし、実際に使っているらしい。
 若者がオレの隣の機械に来て、お金を下ろして立ち去った。
 たぶん段取りは同じだろ。
 スロットにカードを刺し込み、暗証番号を押す。で、金額だ。
 「まずはカードを差し込んで・・・」
 しかし、暗証番号が分からない。
「おいおい」
 慎重に行こう。3回間違えると、機械にカードが吸い込まれてしまうのではなかったか。
 カードが無くなったら、オレは自分のことを証明できるものを総て失ってしまう。
 しかし、やはり番号が浮かばない。
 固まっていると、「ブイイン」と音がして、カードが吐き出された。
 「なんだか生き物みたいなしぐさだな」

 「これじゃあ、埒が明かない。交番に行くか」
 でも、交番に行って、何と言えばいいんだろな。
「おまわりさん。私は誰ですか」
 「私は自分が何処から来たのか分からないのです」
 練習すると、無意識に宇宙人口調になっていた。だめだこりゃ。
 そうこうしているうちに、交番の前に着いた。
 交番の中には誰もおらず、ガラス戸が閉まっていた。

 そのガラス戸にオレの姿が映っている。
 あきれたことに、オレはどうみても老人だった。
 「80歳台じゃないか」
 おいおい。オレはひと晩で60年もトシをとったわけなのか。
 答えはひとつだ。
 「何だ。オレって、認知症なのか」

 ここで覚醒。
 どんなホラー夢よりも怖ろしい夢でした。
 でも、いまやそんなに遠くないぞ。