日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎M先生に起こったこと

◎M先生に起こったこと
家人の勤務先は小学校。そこの同僚にMという先生がいます。
M先生は女性で50歳台の終盤。もうすぐ定年です。

この先生が常々言って来たことは、学校の地縁の悪さです。
「この学校は、元々は沼だった。その沼を埋め立てて建てたところだ。湿気が多いし、古い言い伝えもある。毎年、年度初めに先生が怪我をしたり、事故に遭ったりするのは、そのせいだ。だからお祓いをしなくてはならない」
もちろん、それに頷く先生はいません。
年度初めには、新任の先生たちが多数やって来ます。
この土地に不慣れだから、自転車で転んだり、不注意で車を擦ったりしても不思議ではありません。
「これが十人とかの規模ならまさに異常だけれど、二十人のうち数人程度なら、ごく普通に起こる範囲じゃないか」
今年は校門のところで、先生の車が小学生を撥ねる事故が起きたそうですが、それでもあくまで人為的な要因でしょう。ちなみに、子どもは軽微な怪我で済んだということです。

私も先生方と同じ意見です。
学校は戦前に創立され、昭和50年頃に建て直されているのですが、防空壕とか古い施設跡が残っているそう。もちろん、閉鎖されていますが、子どもたちの間では、やっぱり「幽霊が出る」という評判になっているらしい。
でも、まあ、やっぱりそれくらいは「ごく普通」の領域です。

そのM先生に一人息子がいたのですが、最近、交通事故で亡くなったのです。
まだ30歳で、妻子はいませんでした。
もうすぐ定年退職するM先生はがっくりと気落ちしました。
ところが、時として不幸は続くことがあります。
息子さんが亡くなってひと月しか経たないのに、今度は旦那さんが急死した。
旦那さんは特に病気をしていた訳でもなく、会社を作り、事業を始めようとしていたところでした。
30歳で交通事故に遭う人も、60歳で急死する人もいますが、「同じ家族からひと月のうちに」となると、滅多にありません。

ここに至り、初めてM先生の「お祓いをしなくてはならない」という言葉に行き当たります。
なるほど。お祓いが必要なのは、学校ではなくてM先生のほうだったのでしょう。
自身の直感で、何か気配を感じたなら、すぐに行動に移す必要があります。
もちろん、「神仏を信仰しろ」という意味ではありません。
リスクを想定して早めに準備していれば、被害を軽くすることは出来るのではないかと思います。

分かりやすく言えば、「危機を教えてくれているのではないか」と見なし、いっそう気をつけろということです。