日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎学校の怪談 2題

学校の怪談 2題
その1 足音
 家人の勤務先の小学校では、放課後や長期休暇の際に、誰も居ない教室で足音がします。
 最初にそれに気付いたのはPTAのお母さんたちで、夏休みに行事の準備をするために学校に行ったら、上の階を駆け回る足音がしたとのこと。
 そこで、お母さんたちが2階や3階に上ってみたが、誰もいません。
「おかしい」というので、先生に相談した。
 先生の方は、宿直などで学校にいるので、その音を聞いた人が沢山いました。
 先生方が上の教室に確かめに行くと、やはりそこには誰も居なかったのです。
 「この学校は百年以上も同じ場所に立っているから、そういうことが起きてもおかしくない」
 今は閉鎖されていますが、防空壕も残っています。

 家人は外国籍なので、そんな噂話までは耳には届きません。
 夏休みになり、静かな環境で授業の準備をしようと、学校に行きました。
 さらに気分転換のために、英会話教室だけでなく、2階や3階の一般教室を使ったのです。
 他の先生がその話を聞き、家人に尋ねました。
 「一人で学校にいて、何か気持ちの悪いことが起きなかったの?上で子どもが走り回る音がしなかった?休みの時には、私たちは絶対に上には行かないんだけど」
 でも、家人には不審な出来事がまったく起きませんでした。

 その話を聞いたダンナは大笑いしました。
 「そりゃそういうものだよ。聞こえる人にしか聞こえないし、そもそも、聞いてくれない相手の前では音自体がしていない」
 こういう現象は、「相手を選んで起きる」のです。
 起きない人は、一生起きずにいると思います。
 しかし、家人が他の先生と一緒にいたなら、「子どもたち」は大喜びで走り回っただろうと思います。

その2 1年生の教室
 上の話に続き、ある先生が家人に忠告しました。
 「1年生の教室では、絶対に躓いてはだめよ。転んだら、大変なことになる」
 幽霊話の続きなので、家人はドキッとしました。
 「いったい何が起きるのですか?」
 大変なことって何?
 すると、その先生は声を潜めて言いました。
 「1年生には、時々、おしっこを漏らす生徒がいるけど、モップでさっと拭くだけなのよ。汚いでしょ」
 床がおしっこの痕だらけかあ。そいつは確かに怖い。
 とまあ、これがオチです。