◎一長一短
家人の勤務先の市では、最近、市長が替わった。
前市長は40年近く務めていたが、これが勇退し、若手(40歳台)が当選した。
これで市政ががらっと替わった。
前市長は長くやっていたので、県や中央とのパイプも持っていた。補助金などは、あちこちから上手く引っ張って来られたらしい。
最初の「教育特区」として英会話を授業に組み入れられたのも、この市長が熱心に働きかけたせいだ。
この市長が高齢を理由に辞めると、「市政に新風を吹かせよう」という青年が市長に当選した。
若いだけに掛け声には元気があるが、しかし、まったくコネが無いので、補助金が次々打ち切りになってしまった。
英会話も指定から外れ、「英語」の授業として、担任の先生がやるようになる見込みだという。
「文法も教える」方針らしい。
そうなると、「英語が苦手で、何ひとつ会話が出来ない」日本人を子どものうちから育成することになってしまいそうだ。
家人が会話を教えた子どもたちは、話をすることに抵抗が無いので、外国人に道を訊かれても、まったく物怖じせずに答えられる。
年寄りは何かと「老害」を言われるが、経験と知恵を持っている。若い者にはフレッシュさがあるが、やりくりは今ひとつ。何事にも一長一短あるようだ。