日刊早坂ノボル新聞

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◎最後の日本人 : 男・山根会長

◎最後の日本人 : 男・山根会長
 「山根会長」とは、元日本アマチュアボクシング協会長のあの人のこと。
 判定のえこひいきを指示したり、親族の会社に用具の取り扱いを集中させていたりしたことで、会長職を辞任した。すでに辞めているわけだから、肩書は「元会長」だが、しかし、キャラ的には今も「山根会長」のままだ。しかも、前に「男」を付けたほうが似つかわしい。
 どちらかと言えば、悪人の部類なのだが、この人はある意味素晴らしいと思う。
 何せ、ただのひと言も嘘をつかない。
 「俺がいなけりゃ」「俺だから」と法螺を吹くが、かと言って、自分を正当化したり、誤魔化したりするような嘘はつかない。
 不適切な扱いを指摘されると、「その通りです」と率直に認める。
 政治家や役人の「法律に触れなければよし」というあからさまな嘘を聞きなれた耳には、極めて新鮮に聞こえる。
 スポーツ公共団体の役職なんて、無給もいいところで、まさに滅私奉公だ。
 ボランティアには「ここまでやればOK」という線が無いので、人生を捧げることになる。
 男・山根会長がそれを出来たのは、アマチュアボクシングを心底愛していたからだ。
 ところが、それでは生活が成り立たないから、「多少の便宜は図って貰っても良いだろ」という理屈になる。それが行き過ぎて、こういう結果になったわけだが、しかし、もちろん、私利私欲が動機ではない。
 アマチュアスポーツは、この人みたいに「打ち込んでくれる人」がいるから成り立っている。

 「法螺は吹くが、嘘はつかない」という昔気質の日本人は、今やどこにも見当たらない。
 国政の中心にいる政治家や役人たちが嘘塗れなのを見ると、この人は、もはや「最後の日本人」なのではないかと思える。
 パッションが行動原理であり存在意義だという点で、この人のことは嫌いではない。嫌いにはなれないのだ。
 ま、「自分に似てる」という意味でもある(苦笑)。