◎父を訪問すると
介護施設を訪れると、父が背広を着てベッドに座っていました。
父の方が先に口を開きます。
「お。お前は大丈夫なのか?」
「え」
90歳になる父は、最近、認知症が進んでおり、次第に自分の世界で暮らすようになっています。
「昨日、お前が盛岡の病院に入院したと聞いたから、とりあえず家に帰ろうと思って支度していた」
おいおい。親父よ、お前もか。
叔母といい、父といい、私が「かなりヤバい状況になった」というような「虫の報せ」を得ているわけです。
そうでなくとも、様々な暗示を受けているのに、まさに「外堀を埋める」ような状況固めなどやめて欲しいもんです。
「あいつは悪いヤツだから長生きするだろ」
会う人、会う人がそう思ってくれろよな。
「(生きてた頃は)いい人だった」と言われるよりは、憎まれても長生きしたほうがましです。
ま、やりようはあります。
私はもはや「黒い男」「黒い女」の側に立つ立場なので、先方にそれを理解して貰えば、連れ去られる可能性が下がります。
この場合、「黒い男」「女」はあの世の使者で、私の前に実際に姿を現しています。
このブログを継続して閲覧している人は、それを目にしましたね。
あの世の住人との接点はこれ。
「この世に正義と秩序を敷衍し、欲に塗れた人間どもに祟りの雨を降らせるべき」
その意見では一致しています。
それなら、たぶん、共闘出来ますね。
もはや、「黒い女」は私の側で、あとは「黒い男」だけです。
気を抜けば、すぐに私自身が食われてしまうわけですが、幾らか猶予期間をくれる可能性があります。
私の寿命自体はもはや終わっていますので、この先の時間は総て「儲け」となります。
ところで、嫌なことは忘れてしまうらしく、父は母が死んだことを忘れていました。
「あいつは今、どこの病院に入っているの?」
今では私も、それに応じ、「母は病院にいる」という態度で接しています。
「中央病院だね。今は家には誰もいないから、帰っても寒いだけだよ」
実際そうで、私や父など心臓病患者が体を冷やすと、覿面に悪影響が出ます。
年越しなので、数日中に床屋に連れて行く約束をして、父を宥めました。ま、外出時には、ラーメンでも食べさせようと思います。
以前から父は「天井の照明のところに小鳥がいる」と言っていたのですが、つい「それは配線がそう見えるだけ」と指摘してしまいました。
「ありゃ本当だ」
でも、周りが耄碌爺婆ばかりで、話し相手もいないのだから、部屋の小鳥がいなくなったら、父は余計に寂しくなるかもしれません。
「余計な口を出したか」と思ったのですが、なあに、それもすぐに忘れてくれると思います。