日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎新年を迎えるにあたり

◎新年を迎えるにあたり
 父の頭を散髪しておこうと、叔母の理容店に連れて行きました。
 父は母が病院にいると思っているので、叔母に目くばせをし、調子を合わせて貰いました。
 母の話をする時には、主語を言わないようにし、別の人の話をするように振舞ったわけです。
 叔母も私と意見は同じで、母は「まだこの世にいる」と見なしていました。
 先日、母が叔母の許を訪れたそうで、夜中に家の入口に母が立っていたので、中に入れてあげたとのこと。
 母が「寒いから、布団に一緒に入ってもよいか」と訊くので、「良いですよ」と答えたら、そのまま朝まで一緒に横になっていたらしい。
 この叔母にして、この甥というか、よく話が合います。
 ちょうどその頃、私は母が元の家の応接間にいる夢を観たのですが、ピタリと時期が一致します。
 「寂しいのが嫌いだったから、あちこち見て回っていたのでしょう」

 最近、私の周りに出没する「黒いひと」の話をすると、叔母は「※※に物事を正確に言い当てる祈祷師がいる」と話し出しました。
 なんでも、理由なく具合が悪くなった人がいたが、その祈祷師が「家の神棚に余計なものを置いたからだ」と言うので、神棚を見たら、実際に絵巻物が置いてあった、とのこと。
 話を聞きながら、「占い師みたいなことを言ったり、現世利益を与えるのは低級なヤツだよな」と思っていたら、やはりその祈祷師が拝んでいるのはお稲荷さまだということでした。

 「そりゃ俺にはダメです。俺は稲荷神社とは相性が悪くて、鳥居を潜っただけで気持ちが悪くなりますから」
 稲荷は神社の中では、「しもべ」の類です。
 ま、自分で何とかするように心掛けることにしました。

 それから、父を商売仇の某大手スーパーに連れて行き、フードコートで食事をしました。
 以前だったらありえないわけですが、今は平気です。
 でも、料理人が下手でものすごく不味かったです。
 カレーを食ったら、まともにレトルトの味がしたし、何といってもぬるい。
 天婦羅は生揚げだし、油臭い。
 それでも、父にとっては久々の外食なので、父なりに喜んでいました。
 とりわけアイスに、ですけど。
 介護施設では、果物やアイスはほとんど食べられません。

 叔母には「これが最後になるかもしれんので、写真を撮って置きます」と伝えて、記念写真を撮りました。
 「親父よりも、今は俺の方がヤバイんですけどね」
 そう言えば、この2人は、当方について「虫が報せている」人同士の組み合わせでした。