◎その道の先達の話(続) 枇杷の葉の使い方
髪を切って貰うために叔母の店に行った。
例によって、「トシを取った話」や「あの世の話」をしているうちに、「次は何かお土産を持って来よう」と思い立った。
叔母は鉢植えが趣味で、店の中にも山ほど置かれている。
春から秋は外だが、冬は凍り付いてしまうから屋内に仕舞う。
そう言えば、亡くなった叔父は果物の樹を育てるのが道楽で、自分の山にプラムやら桃やらリンゴを植えていた。
「こっちでは、枇杷は育ちますか」
「あまり実はつかないけれど育つよ。外に植えてある」
そっかあ。もうあるのね。
そこからは叔母の蘊蓄。
枇杷の葉は皮膚に良いらしく、「35度の焼酎に漬けて」顔に貼るか塗ると、シミや吹き出物が取れるらしい。
「その証拠にほら」
叔母が頬を前に出して見せたのですが、そう言えば前回、青く出ていた5センチくらいのシミがきれいに無くなっていました。
「スゲー。それってイボにも効きますか」
「たぶんね」
ここで私がイメージしたのはグアバの葉です。グアバの葉も殺菌作用があり、薬の代わりに使います。
叔母は葛巻町出身で、山の人だ。
葛巻町は春から秋までは「こんなに美しいところがあるのか」と思う程自然に恵まれています。
でもオチは必ずこれ。
「冬がねえ」
すっかり雪に覆われてしまいます。
すぐにでも移住したいくらいですが、雪の季節は、慣れない者にはしんどいかも。
それでも、秋祭りは昔のものがそのまま残っていたりして、風情がある町です。
画像はなんかの実。名前を覚えられませんでした。
漢方系の薬かと思いきや、そういう実用にはならず、専ら観賞用だとか。
「鉢とか庭にバラバラっと放り投げると、そこから芽を出してくる」
目に鮮やかな赤色ですので、帰宅したらさっそく撒いてみようと思います。
でも、名前はまだ分かりません。
叔母は今年80歳ですが、現役でバリバリ働いています。
十歳以上若く見えるのは、そのせいでしょう。