◎夢の話 第719夜 人生をやり直す
12日の午前3時に観た夢です。
夢の中の「俺」は大学生で、進路を考えている。
何が自分に向いているか、どれをやれば途中で放り出さずに済むかを考えたが、よく分からない。
そこで、とりあえず進学して、数年ほど考えることにした。
学んでいるうちに教職に就き、そのまま大学に残って本業の教員になるか、別の業種に転出するかの分かれ道が来た。
この辺は現実の人生と同じだ。
ところが、「俺」は別の選択をした。
大学に残って、教職を本業にすることにしたのだ。
二十台半ばを過ぎ、結婚を考える「彼女」がいたということもある。
だがオーバードクターの時代だし、自分の大学で上がって行くには順番を待つ必要がある。40近くまで非常勤でいる先輩を見ると、外に出たくなるが、小さい私立大学に転出すると、自分の首が締まることがある。数年で息詰まるわけだ。
「ここは相撲と同じで、まっすぐ進んで押し出すのが正しい」
何せ、相撲取りが目指す勝ち手は「寄り切り」か「押し出し」で、これを決め技に出来る力士が一番強い。
例え自体が「わけのわからない」理屈なのだが、そこは夢だ。
結果、「俺」は非常勤を重ねて時機を待つことにした。
当然、結婚なんか出来ないから、「彼女」を待たせることになった。
(ここから長い「人生のあれこれ」が起きるのだが、そこは省略。)
数年が経つと、「俺」は研究に没頭していた。何事も真面目に取り組んでみると、それはそれで面白い。
おざなりな奴ほどエラソーなことを言うが、そういう「評論家」にはならず、囲碁・将棋やスポーツと同じで、のめり込んだほうが楽しい。
気が付くと30台後半が来ていた。
上にはまだ何人か先輩がいたし、さすがに考えどころだ。
自分の大学ほどではないが、同等の常勤職の話が来たので、「俺」はそこに行くことにした。
そういう決定をしたことを報告すべく、「彼女」に会った。
「長い間、待たせて済まなかった。これからは大切にする」
そう言おうと思ったのだ。
しかし、テーブルにつくと、開口一番に「彼女」が言った。
「わたし。結婚することになったの」
俺が研究に打ち込んでいる間に、出会いがあったのだと言う。
それから、小一時間ほど、その新しい「彼」がどんなに素晴らしい人か、どれほど自分のことを大切にしてくれるのかという話を聞いた。
それなら仕方ない。この人にとって、「俺」はもう過去の人間だ。
「そうか。それはおめでとう」
別れ際に「彼女」は俺にこう言った。
「3年前にあなたに『結婚してくれ』と言われていたら、あなたのお嫁さんになったのに。わたしが働いて、あなたを支えてあげられた。わたしが望んでいたのはそういうことなの」
「俺」は「彼女」になるべく苦労をかけたくないから、今まで待って貰ったつもりだったのだが。
「彼女」に背中を向けた時には、夢の中の「俺」は現実の俺に戻りつつあった。
俺は思わず呟いた。
「これじゃあ、結局、どうやっても俺はあの子と共に人生を歩むことは無かったのだな」
それなら、好きなことをやりたいようにやって生きたほうがましだよ。
ここで覚醒。
なんとなく、3月の危機を「乗り越えられた」気がしていたのですが、まだ月の半ばです。
この夢を観て、覚醒しつつある段階で、狭心症を発症しました。
いつも移動の途中で1泊するのですが、直行したので、体に負荷がかかったらしい。
一息つくのは4月になってからにしたほうが良さそう。
夢の中の「彼女」には現実のモデルがいますが、「どうやっても一緒には暮らせなかった」ことには頷けます。
ちなみに現実には、田舎に連れて行ったら、食事会をすることになったのですが、その時に、さすが田舎だけにパアッと「お嫁さんを貰うらしい」という話が広がり、その食事会に伯父夫婦やら叔母やら親戚一同が集まったのです。
すると「彼女」が驚いて、「こんなに親戚付き合いが大変なら、私には無理かも」と振られてしまったのでした。
半年後に「また会ってください」と連絡が来たのですが、その時は既に結婚を決めた後でした。
母は「彼女」が気に入っていたので、十年経っても、「あの子は良い子だったのに」と言い続けていました。
おいおい。半分は母たちのせいだよ。
もちろん、過去の選択に後悔みたいなものはまったく無いですね。