◎夢の話 第722夜 ヌートリア
25日の午前6時に観た夢です。
爪を切ることにした。
最近、細かい物がよく見えないので、半ば当てずっぽうで切ってみたら、案の定、左足の親指を深爪してしまった。
爪が半分くらいの長さになり、下の肉が見えている。
「こりゃ、歩く時に痛いよな」
よく見ると、その肉のところに黒いものが見える。
5ミリくらいの小さなヤツだ。
そこで俺はハヅ※※ーペを取り出し、その黒いやつを詳細に検分することにした。
メガネをかけると、さすがによく見える。
その黒いのは虫みたいな生き物だった。
「おいおい。俺の爪の間にこんなヤツがいたのか」
小さいから虫だと思ったのだが、しかし、そいつは虫ではなかった。
ヤマラアラシみたいな長い棘か毛の中心には、獣の体が潜んでいた。
「あ。こいつはヌートリアじゃねえか」
体のかたちは、まさにミニサイズのヌートリアそのものだった。
ヌートリアは俺に見られていることを知ると、大慌てで俺の親指から離れ、本棚の書籍の上に駆け上がった。
心なしか、さっきより大きくなっている。
「こいつは新発見だよな。動物でも昆虫でも、新種に間違いない」
とりあえず、動画を撮らなくちゃ。
スマホを取り出し、動画を撮り始める。
やはり、さっきより大きくなっている。
「しかし、こんなヤツが俺の爪にいたとはな」
あきれた話だ。
ヌートリアはじっとして、本の上にうずくまっていたが、何時の間にか手の平大のサイズに膨れていた。
ほんの数分で五十倍くらいの大きさに変わったのだ。
「この調子じゃ、あと十分かそこらで普通のヌートリアになってしまう」
そんなんじゃ、新種じゃないし、商売にはならねーだろ。
俺はこの時、自分自身がコイツでひと商売しようとしていることに気が付いた。
でも、俺はここで思い出した。
「ヌートリアは顔はあんな風だけど、けして大人しい動物では無かったよな」
ユーチューブで観たが、ヌートリアはネズミかモルモットみたいな顔をしているが、実は気が荒い。
犬くらいの大きさのヤツだと、一斉に齧りついて殺してしまう。
水の中は得意だから、敵を水中に追い込んで、溺れさせてしまう。
「商売どころか、こいつがこのまま大きくなったら、俺は齧り殺されてしまうかも知れん」
今のうちに殺してしまおうか。今なら殺せるし。
俺はそんなことを考えながら、その生き物を眺める。
ここで覚醒。
どうか「体に新生物が出来ている」という予知夢ではありませんように(苦笑)。