日刊早坂ノボル新聞

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東国原知事の選択

総合政策のアナリストとして、東国原新知事の対応の仕方を興味深く眺めています。
総合政策は、基本的に将棋と同じです。
その意味で、就任早々、「県のPR」として、東京に出かけたりメディアへ露出したりするのはあまり得策ではありません。

知事となると、立場上は王将になりますが、その座に座って最初にやることは陣形の確認です。
県庁内部では、まずは職員への「抜き打ちテスト」で、県勢の発展のためにどのような振興方針を採るべきかといった意見を聴きます。
県民には、「どのような県を望むか」、「そのため何に協力でき、負担することが可能か」を確かめます。
双方の意見を一望した上で、「望ましい県の姿」(目的)と「可能な資材・人材の動員」(方法)を見極め、陣営を整えることになります。

就任当初に行うことは政策立案そのものではなく、政策を立案し、遂行できる体制の確立になり、これには半年から1年はかかります。
総合企画部や財務部門の主要スタッフには、必ず理念的に一致する者を配置します。
反対する者は、意見は意見として聞けるが、進行に影響を与えないような部署に配置転換するか、あるいは解雇することになります。調整は政策体系の基本方針が決まった後でよく、骨組みが決まらないうちにブレーキになる者は、結局のところ目的の達成に役立たず、組織に不必要であるからです。

将棋の駒は、個々の政策であったり、人材であったりしますが、ひとつ1つにこだわり過ぎると、大局を誤ります。捨て駒、死に駒も時には必要で、全部を取りにかかれば、必ずや敗戦の事態を迎えます。
県民にとっても、当初は細事にこだわることなく、勝負の置き所がどこにあるかを眺める姿勢が必要で、個人的な問題や細かな銭カネの問題など後回しで大丈夫。
県民にとって、達成すべき望ましさの本質がどこにあるかを考えることが重要です。

王将は王将らしく、大局観に立ち、戦は実働部隊に任せるほうが、良い結果を生むはずです。
あまりバタバタしないことですね。

エラソーな記述ですが、総合政策の分野とは、このような軍勢と戦術を考える性質のものです。