日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

日本人は心が狭い

このところ中国人の知人と、新しいビジネスの打ち合わせをしており、頻繁に話をしています。
先日は、四川家庭料理を肴に、中華焼酎を痛飲しました。
酔うと互いについつい本音が出てしまいます。

「日本人は心が狭いよ」
総理大臣が代わった今の日本のことに話が及びました。
内閣が替わる時というのは、「新時代の到来」を意味します。

「中国だって、あるいは他のどこの国だって、内閣が替われば、減税や恩赦といった国民へのサービスを提供するのが常識だよ。日本だけそれがない。全く何もない」
東南アジアでも、首相が替わればまずは大々的に恩赦が行われます。

確かに日本だけは、そういった「新装開店」キャンペーンの類のサービスがありません。
それじゃあ、客は喜びませんって。内閣の支持率だって上がらない。
これから時代が替わり、明るい未来がきそうってムードは、絶対に必要です。

「所得減税で喜ぶのはお金持ち。消費税を減税しなくちゃ」
発足後1年間は3%に戻すとかということですね。あるいは還付する。

日本人は何かと細かくて、心が狭い。
全く同感です。

このところの年金騒動を見れば、そのことが実証されてます。

何年生まれなら、どういう制度で、納付の状況により給付は幾ら。
ひとり1人で、計算方法が違います。
これを1億人以上計算しなくてはならないとしたら、間違うのが当たり前ですって。
誰のせいでもなく、制度そのものの組み立てや根本理念が間違い。

皆さんは知っていますか。
先進諸国のみならず、発展途上国の相当数の国では、居住年数条件を満たしさえすれば、基礎年金はもらえます。
カナダを含め英連邦の国の多くは、国内に一定年数滞在すれば、国籍の有無に関わらず年金はもらえます。大体20年くらいの期間からで、外国人で、かつその後別の国に移っても、きちんと年金を授給してくれるのです。
生存に関わることだからですね。
国民の生命を守るという意味で、高齢者や障害者など弱者を守るシステムが確立されていなくては、安心感は生まれ得ない。

もちろん、税額は増えます。
ニュージーランドでは消費税が13.5%、所得税は40%台が標準です。
そのかわり給付の方もふんだんにあり、失業保険は失職後、次の週には給付が始まります。
子どもの学費を心配することもありません。くれるか、借りられる。
公共医療は一切無料。
給付が充実していれば、税率は高くとも納得です。
もちろん、労働者が半年働けば残りは休む(休業補償で暮らす)傾向になるなどの不都合は生じます。
均一料金のバイキング料理よろしく税金の「元を取る」という発想でしょうか。

小泉内閣が展開してきた改革なるものは、展望の無い単純な自由化で、「世界標準」の国民福祉観から見ればまさに逆行です。得するのは結局は金持ちだけ。
周りを見てみましょう。
農地転用が容易になり、いまや田畑が急速に宅地に変貌しています。
従来、公共政策の一環として行ってきたことの多くが民間に任されるようになっています。その結果何が起きているか。
ヒューザーしかり。コムスンしかり。
皆、小泉チルドレンですね。ああ、ホリエモンもそうでした。
もっともホリエモン自民党武部幹事長(当時)が「弟です!息子です!」と言っていましたっけ(自分で認めてら)。

こんなことになったのも、根本的な原因は日本人の価値観そのものから始まっているように感じます。
日本人は外国人の誰もが認める「心の狭い」民族なのです。