数辰曚廟茲暴?了劼倒れているのに気がつく。
年の頃は16、17歳くらいだろうか。少女と女性の中間の年頃だ。
周囲に2、3人の大人が囲んで、「どうしたんだろう」と囁いている。
「息、してないんじゃないの?」
手を伸ばし首筋にを確かめてみると、呼吸ばかりか脈も無い。
「おお、心臓が止まってら」
慌てて、心臓のマッサージを始める。
1人の若者が「車に呼吸器があるはず」と言ってその場を離れる。
生垣の脇で中年の女性が携帯で救急車を呼んでいた。
「繋がらないよ。誰も出ない」
週末なので、事件、事故が重なっているらしい。
「じゃあ、先に警察に電話して、警察から回してもらうといいよ」
肋骨を折らないように力を加減しないと。
リズムよく押しているが、全く反応はない。
若者が戻ってきて、少女の口に呼吸器を装着する。手で握って、空気を送り込むタイプだ。
「まだ、心臓が止まってから時間はいくらも経ってないよね。顔が赤いもの」
「大丈夫でしょ」
「誰か毛布を持ってたら、お願いします!」
マッサージを続ける。
「電話は繋がった?」
「繋がったけど、別のところに出てるって。そこから回ってくるから、20分から25分はかかるそうです」
おいおい、20分じゃ、この子はヤバイって。
手足が小刻みに痙攣している。
「あ、動いてますよ」と、若者。
「こりゃ、死にかけてんだよ。脳がいかれる間際はこうなる」
とにかく血を送らなきゃ。
3分、5分、10分。
息もせず、心臓も反応が無い。
胸部を切開して、心臓を直接握って動かそうとする小説があったなあ。
あれは渡辺淳一だっけかな?
動けったら。そろそろ、マジでやばくなってきてんだから。
「救急車は?」
「今出ましたって言ってます」
「蕎麦屋の文句じゃねえだろうな」
突然、直感が走る。
ああ、ダメだ。たぶん、この子は死ぬ。
どんなにマッサージしても、もう一度動き出してはくれんだろ。
痙攣も小さくなってきているし。
女の子の瞼の間から涙がこぼれていた。
それを見ている私の頬にも、知らず知らず涙が伝っている。
もはや何も考えまいと、心臓を押し続ける。
ここで覚醒。
目覚めてすぐにわかるのは、これは講義での学生を象徴する夢だということ。
眼を醒ましてやりたくて、あれこれ手を尽くすけれど、「死んだまま」の学生も多い。
外の世界を知らない身にとっては、死んだままの状態の方が楽だ。少なくとも社会に出るまでの間の話だが。
現状では、目覚めようとする意志が本人に無ければ、生き返り眼を醒ますことは無理だろう。
「天は自ら助く者を助く」というわけだが、何とか1人でも多く息を吹き返して欲しいものです。