日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎うなされているらしい

◎うなされているらしい

 今日、息子が父親(私)にメールを寄こした。

 今は学校が休みで、日がな家に居るのだから、口で言えばよいのだが、言い辛かったらしい。

 こんな風な内容だ。

 「最近、父さんの鼾が異常だ。どこか悪いかもしれないから、医師に相談した方がいいよ。それと、すごく魘されている」

 鼾の音が煩いのと、不規則だという主旨らしい。

 やたら鼾が高くなるのは、「脳溢血の症状」だというのを息子も知っているから、不安になったのだろう。

 

 昔、街の雀荘徹マンしていた時に、卓に入っていた店主が「ちょっと休む」と言って長椅子に横になったことがある。店のメンバーが代わりに入ったが、安くはないレートの上、他の二人は丸暴だったから、気を入れて打っていた。

 すると、長椅子の店主が鼾を掻き始めたのだが、それが物凄く響く。

 半端ではない音だったのだが、三十時間も打った後だし、「疲れているのだろう」と皆、そのままにしておいた。

 結局、丸二日以上打ち、朝方帰ったのだが、その朝、一向に店主が起きないので、救急車を呼んだらしい。

 やはり脳溢血で、昼前にその店主は亡くなった。

 「鼾が高くなる」のは怖い症状なのだが、不規則でも「睡眠時無呼吸症候群」のことが多い。こっちは急な危険が無さそうだが、しかし、現実には眠ったまま亡くなる人もいるらしい。

 その意味では、鼾に注意を払うのは重要だと思う。

 

 魘されるのは当たり前だ。

 眠っている間は脳が休んでいるから、思考力が働かない。

 働くのは主に「心」で、夢は精神状態、すなわち心が反映される。

 その状態は、死者(幽霊)とまったく同じだから、眠っている間には、「あの世」との接点が生まれやすい。いつも「あの世」を感じつつ暮らしているから、それが一層酷くなるのも仕方ない。

 

 今日の夕方に、居間で仮眠を取っていた時には、郷里のかつての実家の応接間の長椅子で横になっている夢を観た。

 夢の中で、「長椅子で眠っていた」のだ。

 台所の方には、ひとの気配があったから、たぶん、母が何か私のために料理を作っていたのだろう。

 「ここは昔の家だな。俺はそこで寝ている」

 つらつらとそう考える夢だった。

 だが、同時に私は「自分が今いるのは、今の家で、ここは埃だらけの倉庫の中だ」とも感じていた。

 覚醒する直前に体を起こしたが、周囲は灯りもなく、真っ暗な部屋の壁が見えるだけだった。

 目覚めた瞬間には、「今さっきまで、俺はあの家に行っていた」のではないかと思った。

 

 三月には母の命日があるし、彼岸もある。

 「もっと返すべきことがあった」という思いがあるから、こんな夢を観るし、魘されるのだと思う。