日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎ぐるぐる回らされる(525)

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令和二年九月二日撮影

◎ぐるぐる回らされる(525)

 前回の画像に、私的に「もの凄く気味の悪いヤツ」が出ていたのだが、それを買い物の途中で思い出した。

 「よし。とりあえず神社に行っておこう」

 そこで神社に向かおうとしたのだが、途中で道路工事があり迂回する必要が生じた。

 「あとたった五百㍍なのにな。後ろに戻ると二キロで、前に進んで迂回すると三キロだ。戻るのは面倒だから、遠回りでも前に行こう」

 どうせ数分しか変わらないわけだし。

 

 細道に入るから、カーナビも使うことにして、神社をセットした。

 そのまま進んだが、バイパスが出来ているので、前に通った時と道順が違う。

 そこで、その先はカーナビに任せて、それに従うことにした。

 すると、想定したのとはまったく異なるルートに向かった。

 「あれあれ。この先はもしかして」

 あの滝じゃあねえか。

 ちなみに、その滝は私が向かう予定の神社を通り越した先の方にある。

 ルートの指示は、わざわざその滝に向かい、直前の駐車スペースを通って滝に戻る道順だった。

 「これはねえよな」

 今朝、ブログに、五年前にあの滝で見た「あの世の視線」の画像を再掲したばかりだ。

 なんだか符合しているぞ。

 

 そこで、もう一度迂回し、さらに遠回りの道順を選んでみた。

 あえて毛呂山まで行き、そこから旧道を下ることになるが、ま、仕方ない。

 もう一度カーナビをセットし直し、「距離優先」で行くことにした。

 細かい路地を幾つか曲がり、気が付いてみると、また滝の駐車場の前に着いていた。

 「おいおい。呼ばれているわけなの?」

 

 ここで迂回を諦め、結局、元来た道を戻ることにした。

 これで少なくとも数十キロは無駄に走ることになる。

 結局、元の分岐点に戻り、最初からやり直し。一時間半ほど、周囲をぐるぐると回ったことになる。

 

 神社はそこから五百㍍先にある。これは最初と同じ。

 「でも、直行はせずに、まずは裏技を使って置くべきだな」

 このまま神社に向かい、もし悪い方の直感が当たったなら、ばっちり変なのが写るかもしれん。

 

 嫌な感じがあった時の手順はこうだ。

 お寺があればそのお寺に行き、お焼香をする。あるいは、境内で少しゆっくりと過ごす。

 その後でスーパーやコンビニなどの人込みの中に入る。

 これで概ね、悪縁を連れ帰ったりはしなくなる。

 そこで、間近にある滝不動にお参りすることにした。

 お不動さまは、当家の守り神だから、常に意識して暮らしている。

 「カーン」と鐘を叩くと、少し心が晴れた。

 

 その後、スーパーと百円ショップに立ち寄った。

 店の前に行くと、夫婦が何やら真剣な口喧嘩をしている。

 「ふうん。やな感じ」

 

 店の中に行き品物を選んだが、レジ前には線が引いてあったので、その後ろに並ぶ。

 レジは二つだが、線はひとつに収束する。

 しかし、私の直前になると、床に引かれた線に気付かなかったのか、隣のレジの直前に七十歳くらいの老人が並んだ。

 ちなみに、次は本来、私の番だ。

 そのレジに老人が並ぶと、レジ係の女性が「横入り」だと気付き、「そちらの後ろに並んでください」と老人に伝えた。

 すると、その老人は、びっくりするような大きな声で、「オレはちゃんと並んでいたんだあ!!」と女性を怒鳴った。

 反射的に私は身構えた。

 (コイツ。俺に殺されたいのか?)

 私に向かって直接そんな口を叩いたら、その場で殺すのにな。

 すると、私の後ろから、「何か」がするっと離れ、その老人の方に向かって行く。

 (あ。コイツはあの妖怪顔のヤツだ。)

 「このジジイ、殺すぞ」と思った瞬間、それに反応したらしい。

 その瞬間、私の怒りがすうっと消えた。

 (あーあ。これであの爺さんは可哀そうなことになるだろうな。)

 

 レジの女性は怒鳴られたので、困ってしまい、私の方を見た。

 この子も可哀そうだから、「先にその人を通していいよ」と目配せをした。

 若い子を頭ごなしに怒鳴りつける。こんなジジイには礼儀を語る資格はない。

 

 この時、あの「妖怪顔」が出動したのは疑いない。

ということは、あの妖怪顔は、「これまでずっと私の傍にいた」ということだ。

 ドキッとしたが、すぐに胸を撫で下ろした。

 

 「ああ、よかった。俺はけして祈願したわけじゃない」

 もし、「死ね」とか「殺してくれ」と願ったとしたら、それは「呪う」のと同じことだ。

 すると、私はその「ツケ」を背負うことになる。

 だが、願をかけていないから、私に反動は無い。

 だが、悪縁の見ている前で無暗に人を罵ったりすると、必ず祟りが降って来る。

 私には一切関わりなく、その老人の孫は程なくいなくなる。それで終わらぬところが悪縁の恐ろしいところだ。いざ始まれば、延々と続く。

 

 それから、神社に行き、無心で手を合わせた。

 異変らしい異変はほとんど感じられない。

 境内に入った瞬間に雷が鳴り、数分後には土砂降りになっただけだ。

 雷が鳴った瞬間に、「あと一分で前が見えなくなる」と思い、車の中でそのまま待った。

 予想通り、雨が降り始め、すぐに土砂降りになった。

 そこで三十分ほど車の中で過ごした。

 

 その時に考えたことは、「たぶん、今日はあの滝に呼ばれていた」ということだ。

 その後は何を見ても、あの世のもたらす異変に思えるようになったのだが、まさに「薄の揺れるのを見ても幽霊に見える」という状態だった。

 だが、あの「妖怪顔」が出動するのと同じ時に、「女」の気配も消えていた。

 それなら、滝の前まで行ってみても良かったと思う。

 きっと、それで何が起きていたかということの「はっきりした説明」が得られただろうと思う。無事に帰って来られるかどうかは、また別の話だ。

 

 同じような経験が幾度もあるが、この日はむしろ優しい方だ。

 いつぞやは、カーナビに導かれるままに進んだら、山の中にどんどん入って行き、車の両脇を草が擦るくらいの小道に入らされた。

 そして、どうにも進めなくなったところで、ルートを示すラインが消え、画面が真っ暗闇になったのだ。

 あるいは、海岸沿いを走っている時に、「降りろ」の指示があったので、ほぼ一本道の幹線道路を降りると、そのまま堤防の前まで行かされた。

 そして、すぐ先は海なのに、カーナビが「直進」を指していた。

 そんなときの「薄ら寒さ」よりは、この日の方がよっぽどましだ。

 

 この日、確信が持てたことのひとつは、あの「滝の女」は絶対に「御堂さま」ではないということだ。

 「御堂さま」ならこんな振る舞いなどしない。