◎夢の話 第928夜 街角
25日の午前3時に観た夢です。
我に返ると、どこか知らぬ街角にいた。
繁華街の中で、ビルの壁に背を持たれかけるように立っていた。
すぐ前を沢山の人が行き交う。
その人々を、ただぼーっと眺めていたが、人の流れが切れたところで、自分も歩き出した。
歩道の幅は四メートルくらいで割と広い。
前からも後ろからも人が来て、俺をやり過ごして行く。
しばらく歩いたところで気が付いた。
「誰一人として、俺を避けるそぶりを見せないぞ」
普通、前から人が来れば、進路を微調整したり、体を避けたりするものだ。
だが、一人としてそんな振る舞いを見せる者は無い。
まっすぐ俺の方に進んで来る。
だが、ジュースの中に漂うナタデココの小さな粒のように、俺はその人たちに激突したりはせず、するりするりとかわしていた。
自分では意識していないのだが、何故か相手に当たらないのだ。
「もしやこれって」
都心の駅で時々見る奴らと、今の俺は同じなのではないのか。
うわあ、俺っていつ死んだんだろ。
まったく覚えがない。
「だが望みはある」
何となく、俺は「俺自身が夢の中にいる」ことを意識し始めていたからだ。
この街は、夢の中で幾度となく訪れたことがある。
「これが夢なら早く覚めろ。まだ街角に立つには早すぎる」
と叫んだところで覚醒。
どうやら前の夢に関連した内容のよう。
まさか連続したシリーズものになったりするのか。少しゲンナリ。
ところで、「人込みに幽霊が立つ」と言えば、▲宿駅の東口からア■タ前だ。
19歳の時に初めてそこに降り立ったが、最初に見たのが、「肩の上に女性を担いだ男」だった。
当初は「すげえな。都会には変わり者がいる」と思った。
あるいは、病気の奥さんに街を見せているのか。それなら美談だ。
ところが、男が肩車をしている女性には生気がまったくなく、青黒い死人顔をしていた。
男の頭を抱き抱えるようにしがみついていたのだ。
後になり気付いたが、男はその女性を殺して来たのだった(たぶん)。
駅の中や、都心の雑踏には「生きた人ではない者」が紛れ込んでいる。
立っているだけなら影響はないが、私のような者は相手に「見られて」しまう。
正確には「こちらが見て意識するので、先方が気付く」ということだ。
それが不快なので、駅には極力、足を踏み入れぬことにしている。
都心にももはや滅多に行かない。
「スポット」に行ってみたいなら、都心のバス停のベンチで日がな周囲を観察することだ。「何故か同じ人が幾度も駅に入って行く」のを見られるかもしれん。
ま、人により波長域に違いがあるから、目視できるかどうかはその人による。
撮影するのが分かりよいのだが、今はプライバシー保護からやりにくくなっている。