◎家に火が点いているのに、「サンダルを誰が履いたか」を気にする愚かさ
五輪開催の状況によって、日本が被る損害はざっと1兆円、3兆円、5兆円のいずれかになる。
最も損害が少ないのは、通常通り開催し、観客も入れるというやり方だ。
だが、コロナの感染状況を見ると、かなり難しい。
感染爆発を防ぐためには、1)ワクチンを行き渡らせる、2)選手、役員、観客が事前に検査を受け、陰性であることが確認される、のいずれかが必要だ。これがないと、「密」が不可避となるスタジアム等スポーツ施設に人を集めることは出来ない。
いざ感染爆発が発生すれば、収拾がつかなくなるからだ。
もし、五輪を開催するとなれば、いかに「安全」を保持するか、具体的な方策を積み重ねる必要がある。
防疫だけではなく、医療体制も必要だから、数千人規模の収容施設が必要になるのではないか。
あるいは観客を「日本人だけ」にして、世界には広範囲な中継を流すとかいう選択肢がある。
仮に「開催する」となれば、今の段階で体制を確立させねばならないのに、今、議論されているのは「7万円とか十万円の飯代」のことで、これを誰が払ったかみたいなくだらない話だ。
ま、五輪などもう諦めているというのが実際のところなのだろうが、それならそれで、どうやって資金を回収するかという段取りが必要だ。
会場費や交通費を払うのだから、ただ使わずに置く手はない。
五輪でなくとも、何らかの代替大会をこじんまり開く手はある。「復興スポーツ大会」で別に構わないのでは。
競技を絞れば、なんかかんかやれると思う。ま、柔道や空手など小さい箱で出来る競技だ。
(当家では冗談で、「日本人だけで五輪を開けばよい」と言っている。金銀銅メダルを総て日本が占める史上初の大会になる。)
5兆円の事実上の借金の算段をせずに、「7万円の飯代の話の方が重要だ」と思うような政治家は日本には必要ないと思う。
もはや家は燃え始めているのに、サンダルのことを気にしているようでは、国の指針など決められるわけがない。
毎日、つくづく「こいつらはどこまでバカなのだろう」と実感する。