◎チャンスは必ず巡って来る 「頑張れ水波!」
私は週に少なくとも三日通院しているのだが、待ち時間や治療の時間を合わせるとその都度七時間くらいかかる。うち四時間はベッドに横になっているのだが、かなり退屈だ。
そこで、国会中継を観たり、映画を観たり、ユーチューブを観て時間を潰す。ベッドには自分専用のDVDを備えてある。
今は国会が「こいつらはバカなのか」の次元なので、専らユーチューブだ。格闘技や音楽ビデオを観ている。
と、これが前置きだ。
その格闘技(プロレス)の話になる。
先日、AEW女子の挑戦者決定トーナメントの日本側の準決勝があった。
AEWは米国のプロレス団体で、WWEとは別の団体だ。WWEの日本人選手はアスカ(カナ)だが、AEWは志田光で志田がチャンピオン。このトーナメントは日米の双方で予選を行い、決勝を両国代表が争って挑戦者を決める。で、その次が志田とのタイトル戦になる。
アジャは五十台だと思うが、まだ現役でバリバリに戦っている。
今回の焦点は水波綾の方だ。
水波はもともとガイヤや仙女、ウェーブという団体の所属選手だったが、今はフリー。
タイプ的に「すんぐりむっくり」で、ルックスは「良い意味でブチャイク」だ(愛嬌がある、の意)。
戦法も「殴る・蹴る、落とす・落ちる」主体の直線的なスタイルで、「不器用」を地で行くアンコ型だ。
イメージ的には、かつての国際プロレスを思い出せば、何となく想像できると思う。
ちなみに、これは「けなし表現」ではない。国際プロレスのスタンスはかなり好きだった。
水波選手のようなタイプは多くヒール(悪役)なのだが、水波はヒールではない。あくまで猪突猛進型なだけ。
客に受けるのは難しいと思うが、やはり壁に当たったのか、一年くらい前には引退を考えたようだ。
だが、水波選手は踏みとどまって続けることにした。
今回はAEWと関係のある?東京女子プロレス中心のキャスティングだったが、これにこの水波も含まれている。
で、一回戦を勝ち上がり、準決勝がアジャ戦だった。
筋書き的には「水波は善戦するが、アジャが勝ち、米国にも参戦しており知名度のある坂崎ユカと決勝戦を戦う」ことになる試合だ。
アジャ、水波とも肉弾戦型だし、たぶん、凡戦になる。
そんな状況だった。
ところが、この試合に水波が勝った。
おまけに、アジャと手が合ったのか、なかなか面白い試合だった。
ぶつかり合いとラリアット勝負という直線的な内容だが、重量のある者が正面から当たるのでこれが面白い。
正直、水波選手の「すごく内容の良い試合」を初めて観た(少し失礼だが)。
アジャのコンディションがあまり良くなく、入場の時から足を引きずっていたし、顔が浮腫んでいるから内臓系の疾患もあるようだ。開始直後にそれが分かったので、「もしや」とは思ったが、よもや水波選手が勝つとは思わなかった。
日本側決勝の相手はやはり坂崎ユカになった。WWEがするように、何らかの「指示」が入っていれば、坂崎が勝ち上がる。だが日本側は日本開催だし、水波が勝つケースもあり。
もちろん、坂崎もただの「可愛い子ちゃん選手」ではないから、良い試合をする可能性がある。
予選決勝とも、米国で中継されている。ここで内容のある試合をすれば、水波には大チャンスが生まれる。
下積みのまま去って行くか、スタアに上り詰めるきっかけになるか。
水波選手にとっては最大の好機だろうと思う。
焦らず・腐らず続けていれば、必ずチャンスはやって来る。
水波選手にとっては、その見本になるような展開になっている。
風貌のせいなのか、どことなく滑稽なので、使い勝手が良いと思う。
今回の結果はどうあれ、たぶん、次もある。
水波選手には「今が勝負時だ。頑張れよな」という言葉を贈りたい。