日刊早坂ノボル新聞

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◎またもメディアの作り話か 森氏発言「女性と言うにはあまりにも高齢」

◎またもメディアの作り話か 森氏発言「女性と言うにはあまりにも高齢」

 三月二十八日の毎日新聞の配信で、「森喜朗氏がまたも差別発言を行った」という主旨の記事が配信されたようだ。

 原文を確かめるために検索したが、有料記事(280余字)になっていたので、それよりも記述の長そうな時事通信の記事で読んでみる。

 

■記事ここから

 森喜朗元首相は26日、東京都内で開かれた自民党河村建夫官房長官のパーティーであいさつし、河村氏の衆院議員会館の事務所に勤める女性スタッフに言及し、「河村氏の部屋に大変なおばちゃんがいる。女性と言うにしてはあまりにもお年なんです」と述べた。森氏は2月に女性蔑視発言を行ったばかりで、再び批判を集めそうだ。

 

 森氏の発言は、自身が衆院議員の頃、その女性スタッフからさまざまな注意を受け、育てられたことを紹介する中で出た。
 森氏は「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言し、東京五輪パラリンピック組織委員会の会長を辞任した。

■ここまで

 

 280余文字では概ね太字にした部分が骨子だろう。と言うより、それしか書けない。

 早速湧き出る疑問は、「蔑視」に該当する箇所は、「河村氏の部屋に大変なおばちゃんがいる。女性と言うにしてはあまりにもお年なんです」という箇所だろうか、ということだ。

 これのどこが蔑視なのだろう。前後の文脈が一切報道されていないのに、これだけで蔑視と言えるのか。

 ビートたけしが「クソババア」、きみまろが「会場はジジババだらけ」とお年寄りを評しても、誰も「蔑視」などとは言わない。

 「蔑視」とは「言葉」の中にある「姿勢」を言うものだからだ。

 そこでその発言があった状況を調べてみると、どこにも蔑視する要素が出て来ない。

 

1)森氏は自身の知人のパーティに出席し、祝辞を述べた。

2)その事務所にはかなり高齢の女性が勤務している。

3)その女性秘書に、森氏は「自身が衆院議員の頃、その女性スタッフからさまざまな注意を受け、育てられたことを紹介」しようとした。

 

 前後の発言を確かめずとも、言わんとする文脈は分かる。

イ)河村氏の事務所には、高齢の女性が務めている。

ロ)(普通なら仕事をせず、年金でのんびり暮らしている年齢だ。)

ハ)だが今も現役でバリバリ働いている。

ニ)私もその方には、たくさんのことを教えて貰った。

ホ)だから大変感謝している。

 ここまで言及すると、その女性を雇用している河村氏のことも、「そう言う女性を大切に雇用している」と持ち上げることになる。

 

 スピーチとしては、かなり良い流れだ。

 名指しされた当事者である、女性秘書や河村議員は、さぞ光栄に思ったことだろう。

 日本語の文章には、奥行きがあり、表面の言葉遣いの奥に、もう何枚もの裏がある。

 

 これを新聞記者が「蔑視発言」に聞こえるなら、もう一度国語の授業を受け直して来るべきだろう。

 彼らは一般人ではなく、言葉こそが彼らの商売道具だからだ。

 それがこんな体たらくでは困る。

 外国人なら理解できないかもしれぬが、発言全体を確かめずとも、意図は容易に分かる。

 もしくは、主旨が分かっていたが、揚げ足取り目的で内容を変えたということだ。

 前回の「女性は話が長くて・・・」も発言の一部を切り取ったデマ報道だったが、今度のはもう一段悪辣で、もはや「捏造」に近い。

 

 しかし、これはもの凄く役に立つ記事だった。

 何故なら、第一報後、すぐに「蔑視だ」と声を上げた人が「たった一文しか読んでいない」ことが明白だからだ。要するに「踏み絵」として使える。

「女性と言うにしてはあまりにもお年なんです」という一行を根拠に、状況や全文を確かめずに、「人を断罪する」ような人間なら、とても「人権論者」とは言えまい。

 それこそ、「女性」を盾に取った差別主義者のすることだ。

 いよいよ選挙が近くなり、与党系の勢力を貶めたい者たちが、「焦ってネタにした」のだろうが、ここは状況を確かめずに、批判的な反応をすると、致命的な結果になる。

 機を見て敏な者なら、きっと「スピーチには流れがありますから、これだけでは判断はできませんね」と軽く流すことだろう。

 

 このニュースが配信され、日本だけでなく諸外国からもあれこれいう者が出ているが、そういう者は、まさに「底の見える」軽率な思考の持ち主だと言える。 

 

 ちなみに私は、過去二十年間、与党に票を入れたことが無い。

 森氏はかつて「日本は神の国」という発言をしたことがあるが、これは誤りで、どこまで行っても「人の国」だと思う。

 しかし、こんな風なメディアの報道姿勢は「ク※」だと思う。これはメディアへの差別や偏見・蔑視ではなく「批判」で、「悪辣だ」という評価意見だ。

 どこかの国のメディアみたいに、頻繁に「作り話」を垂れ流されたのでは、この国が道を誤る。

 

追記)身内の者に関連し、「コイツはバカなやつでして」と評する言い回しがあるが、これはバカと卑下しているのではなく、謙遜表現だ。謙遜する表現が使えるのは「身内だから」。言葉の言い回しと意味がまったく逆で「でも良いヤツなんです」という気持ちを表したものだ。

 伝統的に自慢めいた言い回しは、あまり好まれぬから、逆説的な表現を使う。それが日本語だ。

 

 「あの子(真央ちゃん)はここぞという時にはよくしくじるんです」

 これが代表的な森式レトリックだが、「だからダメだ」と言うのではなく、「だから不憫でならない」「可哀想で」という気持ちを示したものだ。

 目の前の百字で判断するようになったら、言葉によるやり取りがもはや成り立たない。

 この調子では「年寄り」さえも差別用語になってしまう。

 メディアの皆さんはぜひ中学校で国語を習って来て下さい。