◎ごく当たり前の「差別」
少し時間を置くと状況がよく見える。これは参議院選挙の後で起きた出来事についての考察だ。
「女だから政治のことは分からない」
「田舎者だからファッションのセンスがない」
「年寄りはしがらみで動くから老害そのもの」
こういうのは誰でも「根拠の伴わぬ差別」だと分かる。
しかし、
「タレントはろくに勉強をして来ていない」
「生稲氏はタレント出で政治の勉強などまったくしていない」
みたいな話が「差別」だとは思わぬらしい。
タレントを引退した後、生稲氏がどんな人生を歩んだかなんて、他人には分からない。
おまけに池上彰氏が公然と「彼女は何も知らない」と批判する根拠が、「事務所の関係者」の匿名証言だった。
それが事務所内部の者ではないことは確かで、通常、陣営の者なら「我が方の生稲は・・・」みたいな言い方をする。第三者的評定を下したのは、ほぼ外の者で、かつ素性を明かさぬ者だ。
要は「風説」「デマ」と変わりない。それが根拠だから、事実かどうかを調べられない。
事務所では「電話など来ていない」と言っていたから、「関係者」とは内部の者ではないのは確か。
私個人的には、「匿名を条件で話した」と予防線を打っているところを見ると、「放送作家が作文した」と思う。
「たぶん皆がそう思っているから大丈夫だろ」。そんな思惑が見え隠れする。
もちろん、これもただの憶測だが、これはお互い様だ(意図的に記している)。
実証または検証できぬことで、他人を貶めることを大っぴらに行ってよいのかどうか。
おいおい、池上さんよ。いよいよ嘘臭くなって来てまんな。前からそうだが。
ま、池上彰氏のやっていたことは、単なる特定個人への理由なきバッシングだと思う。イメージの捏造はメディア人が好んでよくやる。
選挙戦で不正を行っていたならともかく、生稲陣営は制度に則って正当に当選を得た。手続きが間違っていたわけでもないのに、それを一方的に誹謗出来るのは、前提として差別的意識が働いているからだと思う。
そもそも、参議院は衆議院の意思決定を国民一般の眼に近い視線でチェックする機関だ。職業政治家が見落としている、あるいは政治家が無視している視点から政策を眺めるべきで、本来は、性別、年齢別、職業別に見て、国民の構成に近い議員構成とするのが望ましい。
比率的に、タレント畑はやや多いと思うが、二世議員はもっと多い。
こういうのがもし理不尽だと思うなら、個人攻撃に向けるのではなく、「制度を変える」方に注力すべきだ。