日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎ホラービデオ

ホラービデオ

 ベッドでDVDを観ていたら、看護師のケイコちゃんがやって来た。

 ケイコちゃんは二十歳くらいに見えるので(実際は二十五歳)、オヤジ連中は患者、看護師を含め「娘」みたいな扱いになる。

 ケイコちゃんが「何を観ているんですか?」とパッケージを取る。

 「ぎゃ。『呪怨』じゃない」

 ネット配信のドラマバージョンだ。

 「いつもこんなのばかり観ていて、怖くないのですか?」

 「怖いね。人間ドラマの方だけどね。出る者出る者が悪意を抱えていて、それが怖ろしい。ひとの心は悪意に満ちているから、それを表に出すと具合が悪くなるほど醜い」

 「私はダメだな」

 「幽霊の方は怖くないよ。作り物だからな。本物はこういう風な出方をしない」

 

 確か二十年位前の深夜に放送していたバージョンは、エピソードがぶっつりぶっつりと切れていて、説明が一切無いところが怖かった記憶がある。

 もちろん、幽霊のほうは作り物で、ジェットコースターと同じことだ。

 怖ろしいのは簡単に人を裏切り、ないがしろにする生きた人間の話の方だ。子どもをないがしろにしたり、自己都合で人を殺そうと考える人間は現実にいる。

 

 「遊園地のお化け屋敷とかジェットコースターも苦手なんです」

 「でも、隣に自分を守ってくれる太い腕があれば、きっと平気だろうな」

 ケイコちゃんは彼氏無し。コロナのせいで知り合う機会も無いそうだ。

 

 オチは「急ぎなら、看護師を辞めてブティックにでも勤めるとかだね。彼氏が出来るまでだが、資格があれば看護師には何時でも戻れる」

 でも、それもやっぱりコロナが収束気味になってからの話だと思う。

 都心のブティック店員なら出会いの場はあるだろうが、感染してしまうリスクも桁違いに高い。

 

 ちなみに、テレビドラマ30分×2回分で1巻のDVDにまとめるのは、ちとボリュームが薄いと思う。3話ずつか4話だろうな。それなら客がつく。