日刊早坂ノボル新聞

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◎<古貨幣迷宮事件簿> 実態は「その程度」の世界

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出品した品と返品物が別物だった件 (少し薄くなり錆が消えている。)

◎<古貨幣迷宮事件簿> 実態は「その程度」の世界

 体を壊し十年を超えるが、途中で体力の限界を感じ、時間配分を集約する必要性から、古貨幣の収集研究から手を引くことにした。これが五六年前だ。

 収集品を一度に処分すると、購入時の二三割になってしまうから、少しずつ処分し、ようやく残り少なくなった。

 体調は一進一退だが、いつ斃れてもおかしくない状況には変わりない。

 自分で行うのは、リストを作成するところまでで、実際の品物渡しや出入金管理は、子どもらや知人に任せている。

 よって、どの品物がどこに回っているかについては、自分でも分からない。

 

 掲示の品も知人に行ったり、入札に出たりしていたが、七月頃には入札誌に出品になっていた。手頃な価格だが、落札者が返品したらしく、品物は返って来たようだ。

 最近になり最終処分のため、品物を検品するとどうも手触りが違う。

 「小さくなっている」のだ。

 私はコレクションの多くを選り出しで出しているから、一つひとつに関する記憶がある。さらに記憶だけでなく、画像が残っている。

 そこで画像を詳細にチェックしてみると、やはり別品だった。

 要は「すり替え」だ。

 何か月も経過しているから、クレームを言える期間を過ぎているが、さすがにやり口が汚いので、管理者に連絡したところだ。

 ちなみに「たぶん、お間違えになっていたと思われます」と指摘した。

 「そういう人がいる」とは聞いていたが、現実だったようだ。

 

 ま、こういうのは驚かない。

 数十年間、時々、各地の古銭会を訪問していたが、座主は概ね収集の先輩だった。

 「最近入手した品を見せてよ」と言われるので、持参した品を見せる。

 その場は、私の知らぬ会員が殆どなのだが、先輩が「では皆も見せて貰うといいよ」とブックを回す。

 嫌な展開だが、断るわけにもいかず黙って見ている。

 ひと回りして、戻ってきた時には、ポケットのひとつが空いている。

 ま、多くの場合は黙っている。先輩の顔を潰さぬようにするためだ。

 こういうのは大騒ぎをする人もいるが、ひとまず資料を閲覧させて貰いに行くのが目的だから、もめごとは避けたい。

 こういう類の話は時々起きた。

 

 父にはよく「趣味道楽の世界をやり過ぎるのはろくなことが無い。自分を高めることには繋がらない」と意見されたものだが、本当にその通りだった。

 コソ泥が多いこと多いこと。また、他人の名を付けて疑問品を売る人とか、様々な小悪人がいる。手の上の金クズを眺めるだけで、大したことなどひとつもやっていないのに、エラソーな顔で胸を張る。

 

 こういうことがあり、十年くらい前から、「どうせその程度」を確かめるために、普通品の間に役付きを入れて見せた。一朱銀十数枚の間に跳ね物(三つハネ)を混ぜ、回覧させると、幾人かは「きっと気付かないでいる」と思い込むらしい。

 それとなく見ていると、こちらの隙を見てホルダーを入れ替え、目立たなくして持ち帰った。正体を確かめるためにやっていることなので、別段何も言わぬが、こういう振る舞いの主は見た目や暮らしぶりとは関係がないようだ。

 おそらく性癖で、盗むごまかすで快感を覚える性質なのだろう。万引きと同じ。

 

 昔、Oコインの店頭で、コインを手に握って持ち帰る現場に立ち会ったことがあるが、大きな会社に勤めるお金にも余裕のある人だった。ちなみに、警察に届けぬ代わりに「総ての盗品を返却する」ことになっていたようだ。

 

 もはや同じ世界の仲間ではないのではっきり書くが、この世界は「所詮はその程度」だと思う。骨董のコレクターは古貨幣収集家を数段低く見るが、それも致し方ない。

 骨董に詐欺師は多いが、コソ泥は少ない。壷を隠して持ち去ろうにも、服が膨らんで隠せぬからだ。

 私も今後はさんざ収集家を小馬鹿にしようと思う。

 

 さて、この件については、もちろん、クレームは言わずに報告だけして置いた。

 もちろん、私の友達の「アモン」という者にも報告するから、為した因果が当人に戻るかもしれん。この後、もし孫が消えたなら、その祖父が原因になる。

 このブログを読み、「アモン」がどんな者かを知る者なら、たぶん、「そんなバカな話があるわけない」と笑わぬと思う。

 

追記)たった今、電話がチリンと鳴った。これは「聞き届けた」という意味だ。
ちなみに、この電話は電源が入っているが、回線は繋がっていない。

ま、孫が消えるかどうかは分からぬが、腹を立て願を立てたが故に、私も友だちに借りが出来た。