日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎「墜落する飛行機」 ダービーと目黒記念

「墜落する飛行機」 ダービーと目黒記念

 解題すると「馬券購入は墜落する飛行機に乗るのに似ている。もし客全体の持つタネ銭を100とし、1レースから12レースまで総て買うとする。12レースが終わった時に客側の手に残るのは3㌫だけだ」。それなら客の多くは負けるということ。実際競馬場に行く客の八九割はマイナス成績で帰る。「飛行機は必ず墜落するが、その中で椅子取りゲームをするのが馬券購入」ということ。

 よりよい椅子を取り、ファーストクラスの食事を楽しんだら、飛行機が墜落する前にパラシュートで抜け出すのが最善の選択だ。ともあれ、「外れる」のはむしろ前提になる。その中でささっと椅子を取る方法が見付かるかどうかを検討する。以上は冒頭固定の前置き。

 

 オークス三連単をあっさり当てたので、ダービーのリクエストが多数来た。

 このスレッドは原則として公開していないのだが、もう一回だけここに記す。

 当てたい人はこれを参考にしてはダメだ。当てに行くつもりはさらさらなく、「もし当たったら帯に届く」ように選ぶのが基本スタンスだ。よって、滅多に当たらない。

 当たり前だが、当ててトリガミなんてこともない。

 

 さて、この日のメインはダービーではなく目黒記念だ。三歳戦は実績的に比較するだけのデータに乏しい。出たとこ勝負のレースなら、真面目には勝負できない。

 

 もっとも参考になるのは友道厩舎の動向だと思う。

 この調教師は馬をじっくり調教するから、一週前までには仕上げて来る。よって、最終追い切りでは軽く流す程度で可。逆にここでも強く追っているようなら、まだ間に合っていないということ。

 ダービーでの出走馬は、サトノグランツとシャザーン。シャザーンの方は前週までに仕上がっていて、最終では流した。サトノは最終でも自ら走っていたが、出来は良好。

 一週前、最終追い切りで良かったのは、このサトノとシャザーン、スキルディング、ドゥラエレーデ、ベラジオオペラと、皐月賞上位のファントムシーフ、タスティエーラ、ソールオリエンス。

 ファントムシーフとソールオリエンスは、最終でも走っていたが、やや「走らせ過ぎ」の感がある。

 とりわけファントムシーフの方は輸送があるから、余裕残しでよかったのでは?

 最終追い切りで「絶好」評価の馬が本番で崩れるのは、調教のやり過ぎが原因だ。皐月賞が重馬場での激走だったから、むしろ割引かもしれん。

 

 で、その友道厩舎だが、一週前までサトノグランツは、目黒記念に出るヒートオンビートやユーキャンスマイルと併せていた。ヒートオンビートは一週前にイマイチだったが、最終では上げて来た。

 ユーキャンはこの馬なりに順調だ。むしろヒートオンビートよりもこっちの方が安定している。

 ユーキャンはもはや八歳だが馬はまだまだ若い。八歳でG1を連勝したカンパニーもいることだし、年齢は物差しにはならない。左回りで直線の長いコースなら、コイツの一発があっても不思議ではない。

だが展開への注文も多いから成績は安定しない。これは当たり前だ。

 重賞ウイナーのユーキャンや、重賞候補のヒートオンビートと併せ馬を行ったわけだが、むしろサトノグランツの方が脚色が良かった。

 となると、サトノグランツの出来が物差しになり、ユーキャンやヒートの状態を図ることが出来る。サトノグランツが結果を残せば、目黒記念では、ヒート、ユーキャンは狙い目になる。

 ヒートが五番人気くらいに人気を落としてくれれば、そろそろ勝ち頃だし、馬券の突っ込みどころだ。

 オマケに「友道どんぶり」で、ユーキャンが馬券内に突入してくれれば、「帯」はもう目の前だ。ま、そこまでは望まない。一頭だけで可。

 

 さて、サリエラが「絶対来ない」理由は沢山ある。

 1)四歳牝馬で、これまで四戦しかしていない。

 三歳児にクラシックに出られていない。ローズステークスで、アートハウスの二着(半馬身差)があるだけ。アートハウスはオークス七着、秋華賞五着。

 2)古馬混合、牡馬混合のレースは前走の白富士ステークスを経験しただけ。このレースはリステッド競走で、重賞ですらなし。ま、二着ドーフネは後に中山記念でヒシイグアスの三着があるが、次のリステッドではサクラトゥジュールの四着だ。重賞では「善戦マン」クラス。

 3)親がどうの近親がどうのという見方があるが、今のサラブレッドは大体良血馬だ。物差しにはならない。

 4)「凱旋門賞に登録してある」というが、登録して出るなら、メロディーレーンちゃんでもやっている。

 皆が大好きなメロディーレーンちゃんは、まだ残念ながら国内重賞を勝てていない。

 5)経験したのが二千まで。走ったことのない距離なのに、何故走れると?

 6)今週から府中はCコース。内枠の先行馬に有利に働くが、サリエラは今回八枠。

 

 一方、買える要素は、「牝馬で55.5キロの負担重量」という要素がある。2.5キロ差ということは、5、6馬身のハンデに等しいから、かなりの好条件だ。

 だが、買えるのはこれだけ。

 それならリステッド勝ちのあるカントルと同等の位置づけで良くねえか?

 かたや同じ牝馬ライラックは、エリザベス女王杯(二千二百)や日経賞(二千五百)で掲示板を確保している。実際に二千五百を走ったことがあるのは強みのひとつ。ま、日経賞は不良馬場だったから今回のレースの参考になるかどうか。

 

 今回、このレースを動かすのはディアステマで、続いてカントル。その後ろくらいにヒートオンビート。

 日経賞は不良馬場だったが、今回は良馬場見込みだ。前半をディアステマが支配する。

 サリエラ、ライラックは中団で、ユーキャンは後方から。

 展開予想をどう組み立てるかは、ダービーのサトノグランツの出来次第になる。

 ダービーは、タスティエーラ、ソールオリエンス、サトノグランツの組み合わせをまず買って置き、三連単はそのうち一頭→残り二頭→調教の良い穴馬に流して「笑って眺めている」のが良いと思う。

 その結果を見て、目黒記念の組み立てを決定するから、ゲートの開く五時までは休む暇なし。