日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎こいつは難物だ  「ホタテのひも」

こいつは難物だ  「ホタテのひも」
 「捨てる食材」の最たるものがホタテのひもだ。
 新鮮ならよく洗って、そのまま刺身で食べられ、「むしろ貝柱より好き」という人もいる。
 だが、処理が面倒で、丁寧に洗って周りのコケのような汚れを落とす必要があるし、日持ちがしない。
 ホタテは「口とケツ穴がほとんど同じところにある」から、きれいではない(人間として想像するとグロい)。
 それと、最も重要な難点は、「熱を通すと固くなる」ことだ。
 また、貝類だけに、新鮮でも中(あた)ることがあるから、リスクもある。よって一般に食材として使われるのは貝柱だけ。
 子どもの頃、仕出し料理を手伝ったことが幾度もあるが、帆立は貝柱だけ残して、ヒモは捨てていた。

 現状での利用法は、干物か佃煮しかない。
 干物はイカのスルメくらい固く、佃煮もやはり触感が硬い。
 こういう事情もあり、産地で買うと、キロ400円前後と激安だ。
 やはり多くの人が「使えそうだ」と思うらしく、スーパーの海産物コーナーに出ることがあるが、ほとんど売れない。
 よって、仕入れ担当が興味を持ち店頭に出してみるが、やはりまったく売れないので、ひとつの店で商品として出るのは一度だけ。

 だが、絶対に何かに使える。
 ひとつは出汁取りだ。これは干物にして置き、使う直前に戻して煮ればよい。値段的にも問題なし。
 この他に食べる用とで使うにはどうすればよいのか。
 こう考えると居ても立っても居られなくなる。
 夏場は痛みやすいこともあり、我慢していたのだが、どうしても我慢できなくなり、北海道に注文した。
 前述の通り、1キロ400円で、送料が二千円弱かかる。
 ちょっと送料がもったいなさすぎるので、二セット買った。

 ひとまず主力は「辛子漬け」にしてみることにした。
 漬物だが、貝類だし、やはり煮なくてはならないが、「煮ると固くなる」。漬けている間に、少し柔らかくなってはくれんものか。

 全部は多いので、幾らかを揚げてみることにした。
 二枚目の画像がそれで、下味をつけ、片栗粉はまぶした後、唐揚げにしてみた。
 目標は「ポテトチップスみたいにカリカリ触感にする」だったが、コイツはそうならない。
 ずっとふにゃふにゃのままなので、無理に堅揚げすべく高温で揚げたら、固くなったのはよいが、輪ゴムみたいな感じになった。
 スルメよりは食べやすいのだが、触感はあまり良くない。
 コイツは難物だわ。

 例えて言えば、「良さげな女子だと思って付き合い始めたが、性格がゴツゴツしている」みたいな時の感じ。
 大体は「コイツ。面倒くせーわ」と放り出すことになる。
 多くの場合、仲良くなり、セックスをするようになってから、初めて本性が現れるので、外面では分からない。
 スルメみたいに固いが、噛めば噛むほど味が出たりするかもしれん。でも、そこまでは付き合っていられない。
 それと同じだが、ホタテの方は「ぐじぐじと文句を言わない」筈なので、まあナントカ。