日刊早坂ノボル新聞

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菅元総理のせいではない

 原発事故の対応の遅れについて、内閣官房(と言うより菅元総理)の過剰なチャチャ入れが原因だったとする答申が出されようとしているようですが、違和感まみれですね。
 
 4号機が爆発した時、東電は「1号機同様に水素爆発」と主張していたけれど、海外メディアでは、炉内物質のストロンチウムの検知や、爆発の規模を証拠とし、「あれは水素爆発ではなく、核爆発」とする報道がなされていました。
 もしそうなら、周辺住民は一斉に避難しなくてはならないのに、東電は「可能性」の報告に終始し、結局は水素爆発の前後に、炉の壁に損傷が生じたとしました。
 米国の持っていた動画では、完璧なキノコ雲が映っていました。
 
 この辺の情報処理の仕方については、ど素人の菅総理の指示でそうなったとは、とても考えにくい。
 東電は終始、「取り繕う」ための回答しかしていなかったのでは。
 今さら、菅総理が感情的に、あれやこれやと指示を入れたことが原因だったなんて、聞いてあきれます。
 研究界なのか、役人なのか、はたまた、その背後の政治集団の画策によるものかは知りませんが、菅総理1人に責を被せるのは、おかしな話です。
 誰も経験がないわけだし、東電が口にするのは「可能性」。であれば、最終権限者である総理大臣が決断するほかはないし、そのための根拠を求めるのは当然ですよ。
 結果的にうまくいかなかったにせよ、あくまで結果であって、不始末の原因ではない。
 委員会か何だかしらないけれど、頭おかしくないですか?
(こう書いても、私は民主党も、菅総理も、一度たりとも支持したことはありません。物の筋道を言うだけですので、念のため。)
 
 東電はもはや実質国営企業ですが、だだもれ的に金融支援を続けるのなら、いっそのこと、倒産させて別の組織を立ち上げ、事後の管理運営にあたるのが無難だろうと思います。
 人材は、ひとまず電力他社から募るしかありませんが、東電が何も変わらずに営業し続けること自体が、大きな障害になっています。
 「どうせまた嘘を言う」、「しくじりを自分のせいだと思っていない」という懸念を払拭するだけで、国民が心をひとつにして復興しようという気運を盛り上げることができるように感じます。
 
 今は原発とは遠く離れた地域のがれきを中間処理することすら拒否される事態です。
 そこまで日本の地域住民の心は、疑心暗鬼になってます。
 今もっとも重要なことは、誰かのせいにすることではなく、復興しようという気運を高めることでしょう。
 それには、すでに辞めた総理を非難するのではなく、東電自体を解体することが適切な処置です。