日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第209夜 幼馴染み

朝になり、子どもたちを送り出した後に、短い間うたた寝をしました。
これはその時の短い夢です。

不意に声がしました。
「じゃあ、私が作ってあげる」
声の方を向くと、女の子が立っています。
17、18歳くらいの女の子です。

(この子は誰?)
すぐに思い出しました。
子どもの頃、隣に住んでいた同級生です。
「ヨシコちゃん。なんでここに」
ヨシコちゃんには、20歳くらいの時を境に、以来ずっと会ったことがありません。
こちらが東京に出てしまい、以後は盆暮れに帰省することも少なかったので会わなかったのですが、ヨシコちゃんはそのままどこかに嫁に行ってしまいました。
以来、ウン十年の間、思い出すことも無く、忘れていました。

(よくケンカしたんだっけな。)
家と家は50メートルほど離れていたのですが(間は畑)、部屋が真向いだったので、障子の灯りが見えました。
ある時、ふと思いついて、その障子に影絵よろしく紙を切り、「バカ」と貼ったのです。
B4の画用紙を切り抜いたので、きっと向こうからも見えるはずです。
ヨシコちゃんは、しっかり見ており、すかさず「アホ」と返事を寄こしました。

そのヨシコちゃんらしき女の子が立っています。
場所は、どこかの家の台所と居間の間です。
横を向くと、居間の壁にかけてあった鏡が目に入りました。
私はどうみても40歳から50歳の間ですね。

「何を作るの?」
私が訊くと、ヨシコちゃんは眉間に皺を寄せました。
「だから、さっき言ったでしょ。料理はいつもアンタが作ってんでしょ。たまにはアンタに私が作ってあげる。そこで休んで見てなよ」
台所のシンクの横には、小麦粉やらキャベツが置いてあります。
お好み焼き?)

「オレがやるよ」と言ったら、ヨシコちゃんはまたプンプン怒るんだろうな。
(この子。今どこにいるんだろう。)
夢の中ですが、頭が働き出し始めました。

もはや、2度と会うことはないだろうと思います。
今生の別れは、数十年前に終わっているのです。
もの悲しい気持ちもありますが、しかし、出会いと別れこそが人の一生です。

ここで覚醒。

まだ元気だよね。
ヨシコちゃんの平穏な日々を願います。