月曜の早朝、つい先ほど観ていた夢です。
酷い展開になってきたため、自ら起きました。
古い店舗を買った。
大きな建物だが、これが建てられたのは昭和の初期か大正の末だろう。
田舎で見かけた古い郵便局に似ている。
ここは前は古道具店だった。
売れ残りのエセ骨董が沢山置いてある。
前の店主が亡くなったので、オレは丸ごと買った、というわけだった。
こういう店があれば、妻と2人で暇つぶしの商売をやっていられる。
もちろん、ここで本気で稼ごうと思っているわけではなく、半分以上は道楽のつもりだ。
まずは掃除からだ。
妻ともう1人、店番用に雇った女性と3人で、店内の掃除を始めた。
さすがに各所に埃が溜まっている。
「こりゃ、業務用の掃除機が居るようだぞ」
すぐに電話をして、取り寄せることにした。
着品は3日後だった。
店の広さは、25メートル四方だ。
古い家具類と、大きな窓。
日射しを浴びながらコーヒーを飲んだら、さぞゆったりするだろう。
とりわけ、昔風の見晴らしの良い窓は最高だ。
真剣にきれいにすれば、カフェかレストランでもいけそうだ。
店内を片づけていると、男が3人やって来た。
妻と店員が相手をしている。
「もう客が来たのか」
妻が遠くから、歩み寄ってきた。
「買ってくれないかと言ってるよ」
「まだ営業前だよ。大体、古物商の鑑札がまだ降りて来ない」
「お父さんが相手をしてよ」
「分かった。じゃあこっちに呼んで」
しばらくすると、1人がやってきた。
中国人だった。
「ありゃ。お前は」
オレの知人だった。
「なんでオレがここに居ることを知っている」
「たまたまだよ。他の2人と骨董店を回っている」
「何か売ってるんだって?」
中国人がカバンから品物を出す。
「コインだよ。発掘品」
「正確には盗掘品だろ。きっと」
「ははは」
もう2人がやって来る。
「なんだ。お前らか」
皆、骨董会の知り合いだった。
「あれま。コンドーちゃんが社長だったのか」
オレは外では、「コンドー」という別名を名乗っていた。
夜のクラブ活動に行く時、本名を名乗ったら、お姉ちゃんたちが営業で携帯に電話を掛けて来る。
妻が出た時に、「コンドーさんは?」と別の名前を尋ねられたら、間違い電話だと思うだろう。
「まだ営業してねえよ」
「なんだ。そうなのか。そりゃ残念。業者相手に変なのを売りつけようと思ったのに」
「バカヤロー。営業妨害はやめろ」
「じゃあ、仕方ねえな。また来るよ」
「うちは素人のお客さんしか入れないよ」
3人は笑いながら外に出て行った。
「疲れたから、今日は帰ろうか」
3人で店を閉める。
「ここは古いだけに、鍵がいい加減だ。早いうちに鍵屋を呼ばないとな」
一緒に車に乗り込む。
車を発進させると、ガタピシと音がする。
「持ち主と同じで古いよな。でもオレはこういうのが好きなんだ。トシを取ってきたら、余計にそうなった。たぶん、自分と重ね合わせているからだろうよ」
ぶすんぶすん。
1キロも走らないうちに、変速レバーがぼろっと取れた。
「うわ」
慌ててブレーキを踏むと、こっちのペダルも外れた。
「ありゃりゃ。ブレーキを掛けられないぞ」
「きゃあ」
サイドブレーキがあるわけだが、慌てているので気づかない。
すぐ目の前に渋滞がある。
道の端に避けようにも、進路が塞がっていた。
「追突しちゃう」
幸い、スピードを上げていなかったので、道の左側に寄せ、縁石をタイヤの横腹でごしごしと擦った。
ようやくスピードが落ち、ゆっくりと停止した。
その時、交差点の先でパトカーのサイレンが聞こえる。
正確には交差している道路を、こっちに向かって走って来るパトカーのサイレンだ。
「緊急車両だな。別の車を追い駆けているんだろ」
すると、3台先の車の前に、左から暴走車が現れる。
右折して、隣のレーンに入り、逆方向に向かうつもりのようだ。
しかし、スピードが出ているので、曲がり切れず、ガードレールにぶつかった。
その勢いで、今度は反対側に向かってきて、オレ達の2台前のトラックに激突した。
激突車は大破したが、回りの車に次々激突した。
「うわあ。こりゃ酷い」
車に乗っていた男女が車外に放り出され、ガードレール付近に転がっている。
「すぐに助けないとな」
自分の車から降りて、助けに行ってやろうと考える。
車のエンジンを切ろうとするが、鍵が根元から折れていた。
「ありゃまあ。この車はあちこち壊れてて、止めることも出来ないぞ」
車から降りたら、勝手に「むすむすと」走り出しそうだ。
手を止めて思案する。
15メートル先では、事故車から放り出された男女が呻いているのが見えている。
ここで覚醒。
夢らしい夢で、脈絡がありません。
私の場合、車は体調に関係しているので、病気で思うにならない状態を「どうにかしよう」とあせっているのかもしれません。