日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

夢の話 第578夜 マヤの黄金  夢の話 第579夜 妻が道路を渡る時

夢の話 第578夜 マヤの黄金
 31日の午前5時に観た夢です。

 人生の最後に見ておくものは果たして何かと考えた。
 「中南米のピラミッドかアンコールワットあたりだな」
 いずれにせよ、近くにハンバーガー店が無いところだ。

 そこでさっそく中南米に出掛けた。
 まだあまり知られていないある遺跡を見るために、オレはジープを借りてジャングルに入った。
 目的地までの半分を来たところで、ひとつの村を通り掛った。
 村はずれに小山がある。
 すると、ガイドがオレに言った。
 「ここも小さいながら遺跡なんですよ。マヤのピラミッドの小さいバージョンです」
 じゃあ、ここにも寄って行くか。

 車を寄せ、小山を仰ぎ見る。
 高さは30メートルくらいで、確かに上のほうが人工物らしい。
 村の老人に先導してもらい、小山に上がって行くと、通路や部屋を仕切った跡などが見えて来た。
 だがさすがに、坂を上がるのは疲れる。
 井戸の後のような四角いスペースを見つけ、縁に腰を下ろした。
 穴があったところは砂で埋まっている。
 何気なくその砂を掻き回すと、指に当たるものがあった。
 砂を掻き分けると、何と黄金のマスクだった。
 直径十数センチのマスクで小振りだが、2オンスくらいはありそうだ。
 すぐに老人を呼ぶ。

 「ここの砂からこれが出て来た。これはあんたらの財産だから大切にするといいよ。村の資料室にでも置いとけば。観光客と泥棒が大挙して押し寄せるだろ。いずれにせよ楽しめる」
 すると、老人が首を振る。
 「そんなものはないよ。ここは貧しい村なんだから」
 「なら、アメリカかイギリスのオークションに出せば、それなりの金になる。欧米の金持ちはこういうのには惜しげもなく金を出すからな。研究者には見せたら駄目だ。研究者に見せるのは、テレビや新聞で報道されてからだ。そうしないと、あいつらは『貸してくれ』と持って行ったきり返さない。日本の某大学はそういうことをいくつもやって、資料庫にお宝を溜め込んでいる。ぜんぶ国民から借りたものだ。盗んだとも言うがね」
 「そんな面倒なことはやれないよ。価値があるなら、あんたが買ってくれ」
 「村のものじゃないのか」
 「わしが良いと言えば良いのだよ。それに、わしはその金を皆のために使うからな」
 なるほど。それもひとつの筋道だ。

 「じゃあ、値段が合えば買うよ。売りたい値段は幾らだい?」
 すると、老人は突然、饒舌になった。
 「今は金の国際価格は1オンスあたり、1244ドル80だから、2500ドルが基本で、これは文化財だから、その2倍の5千ドルだろうな」
 オレは思わず、老人のことをじっと見詰めた。
 「ねえ。もしこれをオークションで出せば、下値は1万ドルか2万ドルだ。たぶん、あんたはそのことを知っている。だからそれより低い金地金の値段を持ち出した。でもそういう売り方を知っているということは、このマスクは古い物ではない可能性が高いってことだ」
 老人がほんの少し目を見開いた。
 「このマスクは、何日か前にあんたが埋めたものだな。たぶん、金で出来たものじゃない」
 世界中、どこへ行っても、この手の詐欺師と中国人観光客は必ず居るもんだ。
 ここで覚醒。

 トイレから戻ると、再び夢の世界に入った。

夢の話 第579夜 妻が道路を渡る時
 目を開くと、道路の前に立っていた。
 片側3車線の広い道路だ。
 妻が何かプンプン怒りながら、その道路を渡って行く。
 ダンナと何か喧嘩をして、怒りに任せて、道の反対側に行こうとしているのだ。
 「ああ。さっきのことで腹を立てているんだな。オレが財布を掏られて、現金を抜き取られた財布だけが道に落ちていた。そのせいで、美味しいものが食べられなくなったから、怒っているのだ」
 しかし、交通量の多い道で、ビュンビュンと車が行き交う。
 「あ。危ない」
 案の定、妻は道を横断する途中で、車に轢かれそうになり、その場に倒れていた。
 オレは頃合を計り道に出て、両手を広げて、車を止めた。
 最初の車の運転手に、こう告げる。
 「事故で人が倒れている。道の外に出すから、ちょっと交通整理を頼む」
 それから妻の方に近寄ろうとすると、妻はぶつかりそうになった車の人たちに連れられてどこかに行こうとしていた。
 「あれは、女房がバカな渡り方をしたからだ。あの人たちに謝らねばならんな」
 走って、追いつこうとするが、妻たちはかなり先に進んでいる。
 何か建物の中に入って行く。
 
 「あの調子なら、無事だってことには間違いないな」
 オレもその中に入る。
 建物の中では、結婚式のようなセレモニーが行われていた。
 200人くらいの客が居て、皆で食事をしている。
 あろうことか、妻はその客たちの間に混じり、談笑していた。
 オレはここで「ふう」とため息を吐いた。
 
 「やれやれ。今度は『食べ過ぎるな』と注意しなくてはならんのか」
 なんだか妻の面倒をあれこれ見るのが、オレの人生の務めになっているようだ。
 ここで覚醒。