日刊早坂ノボル新聞

日々のよしなしごとを記しています。

◎夢の話 第402夜 盆踊り

◎夢の話 第402夜 盆踊り
 日曜の午前2時頃に観ていた夢です。

 友人と2人で、海釣りに行くことになった。
 前の日の夕方に船宿に入り、次の日の早朝3時から沖に出る。
 昼まで釣ったら、午後には帰宅する。
 そんな段取りだ。

 ところが、出発が遅くなり、途中ですっかり日が暮れてしまった。
 「これじゃあ、晩飯に間に合うかどうか」
 「近道すれば大丈夫じゃね?」
 地図を見ると、今は使われなくなった山裾を回る旧道がある。
 「今の道じゃあ、あと3時間はかかる。こっちならたぶん2時間くらいで行ける。こっちで行ってみっか」
 国道を左に折れて、山道に入った。

 ところが、十分も行かぬうちに、朽木が倒れて通行止めになっていた。
 「なんてこった。仕方ない。元の道に戻るか」
 しかし、小林(友人)が右手を指した。
 「迂回できるようだぞ。ここを回って、また戻ってくればこの道に戻る」
 両側から草が被さっていたが、車1台が通れるくらいの道があった。
 「対向車が来たらアウトだな」
 「はは。そんなの、来るわけがないよ。道の上を見てみい」
 道の上には落ち葉が積み重なって、そのまま腐っていた。
 少なくとも半年は車なんか通っていない。
 「逆にちょっと怖いよな。また途中で行き止りだったりして」
 「ま、その時はその時だよ。行ってみっぺ」
 若いだけあって、2人ともあまり先のことは考えない。

 しばらく行くと、案外広い道に出た。
 ひとまず、片側1車線にはなっていた。
 とは言え、時間はもはやかなり遅い。
 「飯どころか、今晩遅くなっても行くと連絡するようだぜ」
 しかし、こんな山の中では携帯は繋がらない。
 携帯が出来てからまだ間もなく、一般には普及していない。
 オレは仕事で使うので、先んじて買っていたのだが。

 「萬屋みたいな店なら、ここにもあると思うぞ。店があれば、公衆電話がある。オレの家は萬屋だったが、昭和30年代の末には電話があった。あの最初にぐるぐる回して、交換手を呼ぶヤツだ」
 「そう言えばそんな時代もあったなあ」
 程なく、集落に差し掛かる。
 十数軒の家が立ち並び、その中央付近に商店が見えて来た。
 もはや夜中で、店の灯りは落ちていたが、店の前に電話があった。
 その電話で船宿に連絡した。
 「おにぎりで良ければ食事を取り置いてくれるってよ」
 「そりゃ助かる」

 再び出発する。
 車の窓を開けて、風を入れながら走っていると、遠くから音が聞こえて来た。
 「あれは太鼓だな。近くで盆踊りでもやってるんだろ」
 「8月の初めだから、まあどこかでは盆踊りがあるだろ」
 程なく、その場所が見えて来た。
 山を半分崩して作った、50短擁?諒臣海幣貊蠅ある。
 その中央には櫓が組まれ、その上で数人の若者が太鼓を叩いていた。
 櫓の周りでは、百人前後の男女が踊っている。
 「こんな山の中なのに、人がいる」
 「それどころか、ほら若い女の子も沢山いる」
 言葉の通り、浴衣を着た女たちが幾人か踊っていた。
 背筋のきりっとした、ごく若い女たちだ。
 「ちょっと見て行こう」
 こっちは若い男が2人だ。遠慮は要らんだろ。

 踊りの輪の近くまで行き、踊り手を眺める。
 「ここにも、こんなに若くてきれいな子たちが沢山いるんだな」
 「旧盆で戻って来たんじゃないのか」
 「そうだよな」
 ここで、友人があることに気付いた。
 「踊っている人だけじゃないぞ。ほら。あっちで沢山の人が見ている」
 山の側は、暗くてよく見えないが、斜面に人が座っていた。
 「あれま、何百人もいるじゃんか。ただ見てるのかな。一緒に踊れば良いのに」
 その人たちは、微動だにせず、じっと盆踊りの様子を眺めている。
 「ま、そろそろ行こうか。道草してる場合じゃない」
 オレはその時、近くに居た女の子と目が合い、会釈を交わしたところだった。
 年恰好は23、24歳くらい。
 あと数秒で、「どちらから?」と向こうから訊いてくれそうな気がしていたのに。
 ま、仕方ない。

 オレたちは再び車に乗り、目的地に向かった。
 翌日は予定通り、船で沖に出た。船が停船すると、わずか1分でオレは船酔いになり、それから港に戻るまで船底で横になっていた。
 釣果は結局ゼロ。完全なボウズだった。
 仕方なく、魚屋で土産を買い、家に帰ることにした。
 帰路は遠回りでも高速を経由する方が早いのだが、オレたちは昨夜と同じ道を帰ることにした。
 なんとなく、もう一度あの場所を通りたかったのだ。
 車があそこを通り掛かると、偶然、道にあの子が立っていて、オレたちは車を停める。
 「こんにちは」と、昨日の続きが始まるわけだ。

 しかし、昨日は夜のドライブだったので、改めて同じ場所に行こうにも道がわからない。
 苦心したが、どうやら昨夜の道を見つけることが出来た。
 「あ。あの辺が盆踊りをやってたところだな」
 「そうだな」
 少し気がはやり、車の速度が上がる。

 山を崩して作った平地に車を入れ、オレたち2人は外に出た。
 「何だよ。これは」
 そこには草がぼうぼうと生えており、とても踊りを踊れる場所ではなかった。
 おまけに、奥に見える山の斜面ときたら・・・。
 斜面全体がお墓で、数百もの墓石が立ち並んでいた。
 オレたちは、声も出さずに車に引き返し、大急ぎで車を発進させた。

 ここで覚醒。
 8月の頭になると、必ずこの夢を観ます。
 この時期に、実際に経験したことだからでしょう。
 実際には埼玉から群馬を経て山形方面に向かう途中でしたが、夢なので、見る度に設定が少しずつ替わっています。また、現実には1人で移動していたのですが、夢では相棒が出来ています。